2024年6月「鉛」

昨年の秋に卒園児のりえちゃん(大学3年)にハイジで歌をうたってもらいました。終わった後「今日はCDだったけど次は生演奏で歌うのはどう?ハイジの父兄の方たちの中で、楽器できる人がいるから演奏してもらえるか聞いてみる?」と聞いたら「はい!生演奏で歌ってみたいです」とのこと。バイオリン、チェロ、ピアノ、フルートができる方たちにお願いしたら皆さん快く受け入れてくれました。そこからみんなでコンサートの日程や場所を決めました。

12月のある日コンビニで「筑波大吹奏楽部コンサート」のチラシを見つけ、このみちゃん(フルート担当卒園児のママ)を誘って観に行ってきました。

初めて観る吹奏楽部の迫力ある演奏に大感動!「私もやってみたい!4月のりえちゃんのコンサートの時フルート吹きたい!フルートに触ったこともないけど…」とフルート担当のこのみちゃんに伝えると「今から?4月まで4ヶ月しかないのに?ゆうこさん…タンバリンとかシンバルとか…打楽器はどう?」とこのみちゃんに聞かれたけど「いやいやいやこのみちゃんにフルート教えてもらいたい!」と無理難題を押しつけてしまい、その4日後から毎週レッスンが開始。このみちゃんとの話し合いで「みんなには内緒にしてコンサートでいきなり私がフルートを吹くってことにしよう!」ってことになり毎日練習が始まりました。

演奏者と家族以外には4ヶ月間内緒のつもりで練習していたけど…本当にバレてないか?本当は誰かにバレてる?など…何とも言えないプレッシャーもありました。

当日の朝、のりこが「ゆうこさん赤い服(曲は崖の上のポニョなので赤にした)なんか着て歌でも歌うんですか~?」なんて言っていたのでフルートのことは全くバレていないと確信!(笑)

私の出番になったとき、りえちゃんが私がフルートを吹くことをみんなの前で説明すると「えー!?うっそ~?」とざわついていました。

肝心のフルートはというと…リハーサルまでうまくいっていたのに本番では大緊張でうまく吹けなくて音も出なくなったし、一度止まってしまったし…とても残念な感じになってしまいました。でも演奏中はみんな私のフルートが間違わないように?つまずかないように?と応援の手拍子が続いていて心強かったです。

結果的にはみんなに「出来なくてもいいんだ」「下手でもいいんだ」「チャレンジすることが大事」みたいな勇気は与えられたようでよかったです(笑)

後からのりこは私がフルートを吹くと聞いた瞬間に大号泣していたと知ってびっくりでした。

だって…普段のりこは感情を入れないことがとても上手で、「片付けやりたくない」とか「事務はめんどくさい」などイチイチ感情を入れる私に「ゆうこさん。無になって1個ずつやっていけば終わるよ」と助言してくれているのですから…

そんなのりこが私がフルートを吹くと聞いた瞬間に大号泣って…びっくりでした。

でも…というかやっぱり…喜怒哀楽の感情って誰もが持っているもので大人になるにつれて上手く感情を打ち消すことができるようになっているんだろうなぁ~と思いました。

実際にのりこは娘のことで悩んでいて、色々話を聞いているうちに「私は小さいとき色々ガマンしていたことを思い出してきた。何もなかったことにする術が身についただけで本当はつらかったんだ。ってことに気が付き始めたよ。でもそれもこれも含めて今の自分がいるってことだからね~」とのりこは言っていました。

そっか~何もなかったことにする術を身につけていたのかぁ~と私は色々考えるきっかけをもらいました。

例えば幼い時に保育園行きたくないなぁ~小学校の時に学校休みたいなぁ~中学校の時に習い事やめたいなぁ~など思っていたとしても、思っていないかのような振る舞いができる。上手く自分の気持ちを打ち消すことができるようになっていたら自分の感情は封印して、誰かが困らないように・・・誰かがへこまないように・・・誰かが泣かないように・・・誰かが悲しまないように・・・誰かが安心するように・・・誰かが喜ぶように・・・と誰かに合わせることができる。誰かに合わせる術を身につけておけば、どこでだって誰とだって嫌われることなく誰のことも傷つけないで過ごすことができるかもしれない…

でも…誰かに合わせることで自分が本当にやりたいことなのか、自分が本当にやりたくないことなのかがわからなくなってしまうこともあると思います。

細かいところでいうと例えば幼い時に「アイス食べたいなぁ~」という気持ち(心)があった時、アイスを食べることができていたら、「食べたかった~」っていう気持ち(心)は満たされて自分の気持ち(心)は納得して終われる。

でも逆にアイスを食べたかったけど食べることができなかった時「あ~あのアイス食べたかったなぁ~」という気持ち(心)が残るので、納得できない。終わらせたいけど終われない。みたいな感じです。

アイス食べたかったなぁ~という気持ち

抱っこして欲しかったなぁ~という気持ち

おもちゃ欲しかったなぁ~という気持ち

学校休みたかったなぁ~という気持ち

習い事イヤだったなぁ~という気持ち

自分の気持ち(心)があっても誰かの気持ち(心)を優先しながら過ごしていると気が付かないうちに自分の気持ち(心)がわからなくなってしまう。自分の気持ち(心)が消えてきて誰かの気持ち(心)がどんどん増えてくるとまるで心に重たい鉛を抱えている状態になる。

それでもその鉛に気が付いているのは…

自分のことを一番必要としてくれて

自分のことを一番大好きでいてくれて

自分のことを一番考えてくれているのは

自分の一番近くにいる我が子だったりします。

子どもには全部お見通し!怖いくらい見透かされています!

『その鉛重くない?』『そろそろ降ろしてもいいんじゃない』ってねっ!

親は子どもの味方ってよく言われるけど

子どもは親の何倍も味方って思うことがいーっぱいあります。

自分の気持ち(心)を大切にねっ!どんどん鉛を降ろしてどんどん軽くなっていきましょうね~!     2024/06/05