2023年12月「対等」

毎日あっちでもこっちでも揉めて泣いている子どもたち!この前はりのちゃん(4才)とひかちゃん(4才)が部屋を同時に出てぶつかってしまい、りのちゃんがひかちゃんを倒してしまいました。ひかちゃんが「何するのー!」と泣きながら大騒ぎしてりのちゃんのことを叩いたり押したりしています。りのちゃんも力は強いのでいくらでもやり返すことは簡単。でも…じーっとひかちゃんを睨んでいるだけ。「りのちゃんに謝ってほしい」と言い出しながらやり続けるひかちゃん。それを聞いても絶対謝らないりのちゃん。スタッフのあずみも「謝っちゃえばいいのに~」と苦笑い。りのちゃんは謝りたくないという意思を最後まで通していました。

 

ある日の夕方はすずちゃん(1年)とはーちゃん(1年)が仲良く遊んでいました。てっちゃん(1年)が仲間に入れて欲しかったのですが入れてもらえずケンカが始まりました。ケンカと言っても、てっちゃんが一方的にやっつけています。すずちゃんがやられているときは、はーちゃんがすずちゃんが守って、はーちゃんがやられているときは、すずちゃんがはーちゃんを守っています。3人共泣きながら本気でやっているのでそれはそれは大騒ぎです。

話を聞くために仲裁に入りました。すずちゃんが強いことはよく知っているので私は「いくらだってやり返せるのに何でやり返さないの?」と聞きました。すると「だって…やりたくないから。やられてるときの気持ちがわかるから…」と言いました。その後てっちゃんのパパとママがお迎えにきたので「今日のところはこれでおしまいね。」と終わりにしようとするとすずちゃんが「まだ終わっていない。帰らないで。てっちゃんが怒ったまま帰られるのは嫌だっ!明日までこのままじゃやだ!」と泣いて訴えています。結局その後しばらく話し合いをしてそれぞれが少しずつ納得する感じになってきたのでその日は帰りました。

次の日からすずちゃんとてっちゃんは仲良く遊んでいます。

 

先月は卒園児のママからこんなラインが2通きました。そのまま載せますね。

1通目はこうちゃんママからです。

学校帰りにこうちゃん(1年)とスーパーでお菓子を購入。いつもひかちゃん(4才)がハイジに持ってきていているおやつが羨ましいとりんちゃん(4才:こうちゃんの弟)が言っていたので同じおやつを彼のために購入。家に帰ってりんちゃんの見えないところに私が閉まっていると「何で隠すの?」とこうちゃんに聞かれたので「明日ハイジに持っていく用にしたくてりんちゃんにバレないように隠している」と答えると「明日持って行くかどうするかはりんちゃんが決めることでママが決めることじゃないよ。今日食べたいかもしれないじゃん。あのさ~自分の人生なんだから自分で決めるんだよ!」と語尾強めで言われました。笑

 

2通目はあおちゃんママからです。

今日あおちゃん(5年)の面談でした。先生に聞かれたこと、報告しますね。

学級会で、ある男の子がかんしゃくを起こして泣いちゃう事を「5年生なのに泣くのはどうかと思う。」とある女の子が発言して、あおちゃんの仲の良い子たちもみんなその子の発言に同感。反対意見がなかったところであおちゃんが「人間なんだから5年生でも嫌な時は1年生みたいに泣いていいと思う」と発言してくれて感動して震えました。仲のいい子が次々に同感している中で、反対の意見が堂々と言えるのはすごい事です。どうしたらあおさんのような子になるのか…お家ではどう過ごされているのですか?と聞かれたので「あれやれ!これやれ!」と暴れています。昨日も怒りながら「グミ買ってきて」と言われたので買ってきました。と言ったら先生驚いていましたが、ご家庭でのお父さんとお母さんの努力ですね。なんて言われました。ハイジで自分をさらけ出して全てを受け入れてくれた。そして、家でもなるべくハイジのような環境にしてワガママやりたい放題にさせたことが良かったんだなと思います。ありがとうございます。

 

 

と、私にとってはとても嬉しい内容のラインでした。こうちゃんもあおちゃんも今は思ったことが言えている。損得勘定など考えないで自分の気持ちを隠すことなく素直に表現して過ごせているんだろなぁ~と思いました。

 

素直な気持ちで過ごせるってことは楽なことかもしれない…大人になればなるほど素直な気持ちで過ごすってすごく難しいこととも思っています。例えばここでこれを言ったら気まずい雰囲気になる。これを言ったら怒られる。これを言ったら嫌われる。など少しでも相手のことを考えたら自分が今思ったことは言わなくなる。というか言えなくなるだろうし…

私の場合、例えばランチ行きたいなぁ~?パスタが食べたいなぁ~?と思ってもこの人忙しそうだなぁ~?疲れているかなぁ~?誘いたいけどどうかなぁ~?など思えばランチ行こう!パスタ食べたい!なんて言えなくなるだろし…

でも心を許している人ならすぐに誘えるし例え断られてもまた誘おう!って軽く気持ちを切り替えられる。自分のことを否定されない。自分の味方。って思える人に出会えたら素直に自分の気持ちを何でも言えるとも思っています。

 

それじゃ~親と子ってどうなんだろう?

子どもって全ての経験が大人より断然少ない。その分色んなことがわからないことだらけです。先を読むこともできない。少し嫌だな~?って思ってもその場その場で他に楽しいことやおもちゃやおやつにつられてあっさりと乗り切ることができます。乗り切ることが出来ているから大人は安心して(大丈夫だろう…)と思ってしまうけど、本当は真逆のことを思っていたりします。

子どもが親に自分の気持ちを素直に伝えることができるにはどうしたらいいんだろう?

 

親が子どもの面倒をみてあげる。子どもは親に面倒をみてもらっている。どうしても親はやってあげているという上からの立場で、子どもはやってもらっているという下からの立場になってしまう。

そうだっ!この考え方を取っ払って子どものことを対等だって思って接するのはどうだろう?今は自分より背の低い子どもだとしても背の高くなった13才くらいなったと思えばいいのかも?身体が大きいから無理やりどこかには連れていけないし楽しいことやおもちゃやおやつではごまかせない。13才と思って接していれば対等に子どもの意見を聞いたり、子どもの気持ちを汲んだりするかもしれない…

いやっいやっ…まてよ??

実際にはかなり難しいよなぁ~?身体が大きくても親がずっと面倒をみてあげているという上からの立場で接していれば子どもが自分の気持ちを素直に言うことなんて13才でも15才でも20才でも30才でも無理なことだろうし…でも親が子どものことを対等だと思って接することを毎日「意識」して過ごすことで親にだけは何でも自分の気持ちを素直に話すことができるかもしれない。

 

そうそう…2通目のラインをもらったあおちゃんママはいつもこんなことを言っています。

「私は反面教師です。自分が親にやってもらってないこと、やって欲しかったことをあおちゃんにはやっているつもりです。でも毎日意識しないと素の自分に戻っちゃうので意識しながら過ごしている。それは大変なことでもあるけど…でも逆をいうと意識するってことだけを忘れなければいいことなんですよね~」

ハイジに4才できた頃のあおちゃんは全てのことに怒りまくって大変でした。小5になったあおちゃんは今も大変ですが少しずつ親元から離れていっているようです。

 

 

 

 

子どもって親が思っている以上に何倍も何十倍も親のことが大好きです。親はもちろん味方だし正しいことだけを伝えてくれていると信じています。親が「○○大好き!」「○○さん大好き!」といえば子どもは親より「○○大好き!」「○○さんが大好き!」になるし、親が「○○苦手…」「○○さんって苦手で…」といえば子どもは親より「○○苦手…」「○○さんって苦手で…」となってしまいます。

 

親が大好き過ぎて親の意見が全て正しいと思ってしまう。子どもは親の影響を大きく受けてしまうことも多いです。

それでも上下という関係を取っ払って対等な関係を築けたら、親の意見は親の意見として聞いて、自分の意見は自分の意見としてしっかり持つことができると思っています。

自分の意見を持つことができれば、子どもが将来自分の思った通りの人生が歩めなかった時に「お父さんのせいで~!」とか「お母さんのせいで~!」など人のせいにしない。

 

対等って難しいけど、あおちゃんママの言うように「毎日意識することだけを忘れなければ大丈夫!」

対等になったら憎たらしい意見も言ってくることになりますが…(苦笑)

 

「自分らしい自分の人生」を歩んでもらえると信じています!

 

 

2023/12/26