2023年10月「余白」
今月はちひろ(スタッフのりこの娘)とちひろの友達のあかりさんがイベントを企画してくれました。ちひろの就職先のリンネバー(廃材などゴミになってしまうはずの素材をアップサイクル作品に蘇らせる日本初のバー)をハイジで再現!大人も子どもも楽しめるイベントでした。子どもたちは廃材や段ボールで家や鳥などを作ってハイジの森を完成!ステージが出来たところで卒園児のりえる(大学2年の声楽科)が水色のドレスを着てディズニーメドレーを歌うという壮大なプロジェクトでした。この日のために何ヶ月も前から準備してくれたちひろ、あかりさん、リンネバーの皆さん!本当にありがとうございました。
その後・・・
りえるの歌を聴いたあおい(5年)が手紙と絵を描いてりえるに送っていました。私も少し読ませてもらったのですが、最後に「私もりえるちゃんみたいに好きなことを夢中でできる人になりたいです!!!」と書いてあって胸が熱くなりました。りえるの歌のエネルギーがあおいにしっかり伝わったようです。本当に嬉しい一日でした。
最近Netflixに入り「明日の食卓」という映画を観ました。親子3家族の物語を描いた作品です。その中にシングルマザーで子どものために一生懸命働き続ける元気で明るい母親がいます。10才の息子が「知っています。一人の時のおかんは死ぬほど疲れた顔をしています。僕は知らないふりをしています」と言った言葉がずっしりと重たく感じられました。
その頃、保育士仲間のあやのさんからはこんなラインが送られてきました。
「子どもは親の顔を見て、親が何を考えているか読み取ることができます。ちょうど、農夫が空を見て天気が予想出来るように。」どこかの本の1ページのようです。
そう!そう!そう!子どもってQRコードかっ!っていうくらい親の気持ちを読み取ることができます!
オムツ外れるといいなぁ~
野菜食べてほしいなぁ~
友だちと遊んでほしいなぁ~
ゲームばかりしないで勉強してほしいなぁ~
片付けしてほしいなぁ~
学校休まないで行ってほしいなぁ~
など・・親がさほど強く思っていないことや、自分自身でさえ気が付いていない奥の奥の奥の方までの心情を子どもは見透かしくる!そんな感じです。
のりこに「子どもって親の気持ちを読み取るよね~」と言うと「でも親の心子知らず」っていう言葉もあるよね~と・・・そうなんです!!
パパやママと話をする機会が沢山ある私はいつもいつも(こーんなに子どものことを大事に思っているんだ~とびっくりします。ただただ子どもに伝わっていない。伝えきれていないだけ・・・子どもを思う気持ちが必死過ぎて笑うことが出来なくなってしまった・・・そんな感じに思えます。自分の子どもを大人にさせなくちゃいけないという責任がある立場の親にとって心の底から笑ったり毎日を楽しむってことは簡単なことではない!ということもわかってきました。
子どもって10才前後になって物心がついてきた時、僕って、私って、親の気持ちを読み取り過ぎているなぁ~自分の気持ちに嘘をついているなぁ~っとわかって苦しくなる時期があります。何年も親の気持ちを読み取って過ごしてきた子どもが急に親の気持ちを読み取らないで自分の気持ちのまま過ごす!っていうのはとても難しいことでもあります。
子どもが親の気持ちを読み取り過ぎないで過ごすにはどうしたらいいんだろう??
少し前ネットにこんなことが書いてあったのを思い出しました。(子どもと一緒に過ごす時間に余白を作ることが大事です)って・・・
余白がない毎日ってこんな感じかなぁ~?
保育園や学校に行くために前の日から準備。早くご飯を食べて。早くお風呂に入って。早く寝て。早く起きて。早く着替えて。早くご飯を食べる。保育園や学校に着いたら遊んだり勉強したり友だちと過ごしたり。帰ってきたら宿題して次の日の準備をして・・・
大人は仕事をして、ご飯を作って、食べさせて、お風呂にも入れて、寝かせて、片付けもして、掃除もして、買い物もして、洗濯もして、遅く寝て、早く起きて・・・土日は楽しいこといっぱいさせたいからお出かけもして、旅行にもいって・・・でもいっぱい遊んだ後は家事はどんどんたまっていく・・・
そして月曜から子どもはまた保育園や学校・・・そして大人は仕事・・・それぞれの場所で忙しく時間が流れていく・・・
白い紙にびーっちり文字が書いてある感じかなぁ~
余白を作るには・・・例えば週に1回もしくは週に半日だけでも家族みんなでダラダラするって決めるのはどうだろう?起きない!食べない!片付けしない!みーんなで寝たいだけ寝る!食べたいときだけ食べる!何もしない!みたいな日があってもいいのかも?
そんなのムリムリ・・・子どもはお腹空いた~!って言うし。どっか行こうって騒ぐし。部屋だって汚くなるのも嫌だし。リズムが崩れて次の日に支障をきたすことも嫌だし。
って声も聞こえてきそうですが・・・。
でも・・・子どもと関わる仕事をしている私は何人も何人も子どもが苦しくなってしまう姿を目の当たりにしてきました。
そして親も子どもの何倍も苦しくなっていく姿を目の当たりにしてきました。
子どものために・・・子どもの将来のために・・・と思うのであればムリやりでも【余白】を作る時間を作って子どもと一緒にダラダラして欲しいです。
大人が心底くつろげば子どもも心底くつろぎます。
【余白】があったら子どもが親の気持ちを読み取ったり読み取り過ぎたり、子どもが苦しんだり子ども以上に親が苦しんだり・・・
そんなことぜ~んぶなくなっちゃうのかも?とも思っています!!
2023/10/21