2023年8月「上機嫌」
最近、喜多川康さんの運転者という本を読みました。私の中で一番気になった所を書いてみますね。
『運はポイントカードと一緒ですよ。運が(いい)か(悪い)で表現するものじゃない。(使う)(貯める)で表現するもの。少し貯めて使う人。大きく貯めて使う人。人によって違うけど、どちらにしても周囲から(運がいい)と思われている人は貯まったから使っただけです。例えば友人の引っ越しの手伝いをしたらお礼にうなぎをご馳走してくれた。これは妥当なお礼だとして運は使っていないし貯まってもいない。もし20万包んでくれたらもらいすぎ。その時は運を使った。何もお礼がなかったら運が貯まった。ということ。
でもこれはアンテナの感度が上機嫌の時が最大になるだけで、機嫌が悪いとアンテナは働かない。全ての運が逃げていく。』
単純な私はすぐいいことをしたらポイントが貯まるはず!と思い「ポイント!ポイント!」と言いながらゴミを拾ったり、スーパーのカートを直したりしていました。でもこんな風にできるのは自分が疲れていなくて機嫌がいい時だけです。疲れていて機嫌が悪いときは「何でゴミ捨てるのっ!何でカート直さないのっ!」と心の中で文句を言っています。
そもそもずっと上機嫌でいられる人っていないと思います。仕事が溜まっている人。人間関係でギクシャクしている人。悩みがある人。介護している人。そして子育てしている人。表面上は楽しそうに子育てしている人だって子どもに降り回される毎日にうんざりしている人だって多いと思います。
例えば・・・
暑い中せっせとご飯を作ったのに殆ど食べないで残す。
好きな物ばかり食べた後「アイス!アイス!お菓子!お菓子」って騒いでいる。
早く起きて欲しいけどなかなか起きない。
早く寝て欲しいけどなかなか寝ない。
お茶をこぼす。
牛乳もこぼす。
片付けしないけど散らかす。
水遊びもやめない。
泥遊びもやめない。
危ないって言ってもやめない。
機嫌が悪くなったら永遠に泣き続ける。
永遠に怒り続ける。
習い事を始めたけど行きたくないと言い出す
などなど・・・
子どもが自由に過ごせていて子どもが主体的な感じ。これでは大人が
上機嫌でいられる要素はなくて不機嫌になる要素はいくらでもあるような気がします!
逆にどうしたら上機嫌でいられるか?
自分の時間が持てるとき。
仕事が無事に終わって充実感を味わえたとき。
子どもが言うことを素直に聞いてくれたとき。
大人が主体となって動けているときは上機嫌でいられる気がします。
のりことの会話です。
ゆうこ「のりこが上機嫌の時ってどんな時?私は自分が主体的に動けている時やワクワクして楽しいことをしている時って上機嫌でいられると思うんだけど・・・」
のりこ「う~ん・・・心が満たされている時じゃない・・・いくら主体的に動けていても本人がそれで満足できないのならそれは不機嫌だし、何にもしないでぼーっとしてたって自分の心が満たされていたらそれは上機嫌なんだと思うよ・・・」
そうだね・・・妙に納得・・・
でもそもそも心が満たされている時ってどういうこと? 心が満たされるとか満たされないとか、日常の忙しさで立ち止まって考える暇もない人だっているだろうし・・・それより何より自分は幼いときから親や祖父母や先生たちの期待に応えることや、周りの人の歩調に合わせて過ごすことに必死だったら自分の心が満たされるも満たされないもないかもしれない・・・
話は少し変わります。
子ども(5才くらいまで)って私に「きらい!あっちいけっ!やだっ!」とかハッキリ言ってきます。(スタッフにも言っています)目の前のパパやママは引いてしまうくらいハッキリ言うのですが・・・私としては(子どもは私に気を遣わない。私に嫌われてもいい。対等な関係)って思っているんだろうなぁ~と思い少し安心していたりします。
小学生になると私の小さな足の傷でも「大丈夫?痛くないの?」と心配してくれるし。横になっていると「気になる。何で寝ているの?」と心配してくれるし。重たい物を運んでいると「大丈夫?持つよ」と手伝ってくれるし。老眼で見えなくなると読んでくれるし。大きい子が小さい子の靴を私より先に行って履かせてくれるし。そんな時は本当にありがたいって思います。
私やスタッフには気を遣わないで何でも言ってくる子どもたちでもパパやママの前では何も言えなくなってしまう子も多いです。子どもたちの言葉や行動にパパやママを守っているんだなぁ~パパやママのことが大好き過ぎて心配かけたくないんだなぁ~大好き過ぎて嫌われたくないんだなぁ~・・・と子どもの態度や顔をみているとわかってしまうことも度々です。
不機嫌なパパやママのことも
怒っているパパやママのことも
泣きそうなパパやママのことも
苦しんでいるパパやママのことも
寂しそうなパパやママのことも
辛そうなパパやママのことも
孤独なパパやママのことも
子どもの立場なので今は何もできないこともわかっている。だけど自分の存在で何とか助けたい。悲しませないように必死のような気がします。
パパやママから子どもについての悩みを聞くことがあります。話し合いの後半は必ず自分がどうやって育ったか?という話題になります。そして過去を思い出して苦しんだり悲しんだりしているパパやママがいると私はいつも「これからお父さんもしくはお母さんに電話して!私が今から文句言うからっ!」と言います。すると「いやいや・・・今更やめてくださ~い!笑」と全員に断られます。
親になったパパやママだって自分の親の全てを受け入れようとがんばってきたし、がんばっているし・・・
結局みんな子どもに守られているってことかもしれないです。
2023/08/22