2022年4月「大丈夫って呪文」

新年度がスタートしました。初めての保育園、初めての小学校、初めての中学校、初めての制服、初めての先生、初めての友達、初めての給食・・・全てが初めてづくしです。

子どもにとっては大きな変化ですが、大人にとっても子どもの何十倍もの変化のようです。

新年度・・・それだけで心の負担が大きくなっている感じですよね~

(初めてのこと=知らないこと)

これが一番の不安要素なんだろうな~

先がわかっていること、予測がつくことは安心だけど・・・

先がわからないこと、予測がつかないことは安心できない・・・

大人はどうしたって自分の安心のために先回りして口や手を出してしまうことも多いです。

 

最近、家でこんなことがありました。

(庭の草が生えてきたのでいつか草取りしなくちゃ~)(私しか草取りできる人いないしな~)

(でも他の仕事が先だよな~)(ゴールデンウイークにやろっかな~)

と思いながらずっと過ごしていました。日曜日の朝、母が私を見るなり開口一番「今日は休みか?」と聞いたので「うん」と返事すると「んじゃ草取りやったら~?」と母・・・

いやいやいやいや・・・朝一にそれを言われると草取りやろうと思っていた気持ちが一気に失せてしまう・・・

というか失せてしまった・・・

「自分のタイミングで草取りします!」と宣言!!そして雨が降るたびに草はどんどん伸びていきます。

あ~どうしよう・・・

2,3日経った頃、庭を眺めていた母が「あのダリヤの花は2年も連続して咲いてんだ。ゆうこが鉢から取ってポーンって投げたところから根付いたんだよ。今年も伸びてきたから倒れないように棒をさして棒と茎を紐で結んで欲しい。かわいそうだから・・・」とのこと。

 

そっか~あの時片付けしながら捨てちゃったけど・・・ちゃんと根を張って花を咲かせていたんだ~

何だかな~ごめんね・・・

 

そして次の日曜日の朝、母より早く起きて母が起きる前に草取りをしました。

もちろんダリアの花が倒れないように棒をさして茎と棒を紐で結んで倒れないようにしました。

 

この出来事で子どもの気持ちが手にとるようにわかりました。

今から勉強しようと思っていた!今から片付けようと思っていた!今から起きようと思っていた!今から寝ようと思っていた!今からゲームやめようと思っていた!など・・・

 

子どもが(今からやろうかな~?)と思っている矢先に大人に「やったの?」と聞かれてしまうと(もう~やりたくない!)と逆のことを考えてしまう。

 

でも大人は子どもより長く生きている分、先が読めます。今からやらないで大丈夫なの?間に合うの?後で大変なのになぁ~?この先どうなっていくの?などなど不安なことは山のように膨らんでいきます。

 

 

そして自分の人生の中で辛かった過去も蘇ってきたりして・・・

そうならないためにも先回りして・・・友だちと仲良くできるように・・・誰にも後ろ指を刺されないように・・・誰のことも傷つけないように・・・誰にも傷つけられないように・・・

 

でもそれを言い出せば言い出すほど心配すれば心配するほど子どもは「自分は心配かける存在なんだな~」と思ってしまう。そして自分を信じることなんてできない!自信なんて持てない!そんな大人になっちゃうんじゃないかな~?

せっかくの親の(愛情)が(心配)によって子どもに全然伝わっていないこともよくあることです。

 

心配し過ぎることはよくないことなんてわかっている!けどこの心配や不安をどうするのか??ってことになりますよね~

これが一番難しい!

ある本に「脳はひとつのことしか考えられない」と書いてありました。楽しいこと。没頭できることを見つけて1日5分からでも始めてみるのはどうかな~?そのうち10分、30分、1時間、3時間・・・とどんどん増えていけば子どものことを心配する時間もどんどん減っていくかもしれない。

 

大人が楽しいことを始めてくれると子どもだって余裕が出てきて本当の自分をさらけ出すことができるかもしれない。そして余裕の出来た大人にたっぷりどっぷり甘えることができるかもしれないです。

自立って親から離れて1人で生きていくことじゃなくて、親以外の人に関心事が増えていくこと。とも言われています。家でたっぷり甘えることができた子や親に頼ることができた子が次は誰に甘えようかな~?誰に頼ることにしようかな~?と思えることが本当の自立なのかもしれないです。

 

話は変わりますが・・・

天気が良くても悪くても公園に行くと靴をポーンと脱いで遊び始めるみんな!ハイジに戻ってきたら「靴がな~い!」ということもしばしばです。また大人が公園に見つけにいかなくちゃいけないので「靴は自分でちゃんと持って帰って来てー!」と口が酸っぱくなるほど言いました。すると、ともくん(3才)がバスの中で「ゆうこはお茶!ゆうこはお茶!」と何回も言っています。えっ?何?と思う大人達・・・あっ!そういえばリュックの隣に私の水筒が置いてあったわ~それを覚えていたともひろが(ゆうこはお茶を忘れるなっ)てことね!「ボケばあちゃんの心配してくれてみたいだわ~!」とみんなで大笑い!

 

心配事はどこまでも続いていきますが「この子は大丈夫!きっと大丈夫!絶対大丈夫!」と呪文のように唱えながら過ごしていればいつかそのうち大人になった子どもに「とうちゃん大丈夫だよ!」「かあちゃん大丈夫だよ!」って逆に励まされるときが必ずくると思います!

 

2022.5.11