2020年4月「いちご」

今回のコロナウイルスによりハイジも大きく縮小して保育しています。色々な制限がかかる中、大人は「今日はムリ・・・」「今日はダメ・・・」という言葉が出てしまいます。

 

そんなある日、りん君(4才)が「コロナ大っ嫌い!」と言いました。あおちゃん(小2)も家でテレビを見ながら「コロナのバカヤロー!」と言ったそうです。今回のことで大人は心の底から笑えなくなった人もいるかもしれません。子どもも多かれ少なかれガマンしています。今は大人がガマンしているので何も言えない・・・自分達もガマンの時だから・・・という感じで諦めている。そして以前より聞き分けがよかったり一緒にいて楽だったり・・・こうなると後が怖いです。コロナが落ち着く頃。大人がホッと安心した頃に後回しにしていた(というか後回しにするしかなかった)子どもの気持ちがどんどん表出してきてとんでもないことになっちゃうかも?!とも思っています。

子どもは必ず帳尻を合わせてきます。もし今大泣きや大暴れを始めたらガマンさせずにおもいっきりやらせてあげてほしいです。

 

最近いちごを愛情や優しさに例えてスタッフと話しています。親からこれでもかっ!まだまだいくらでもあるからねっ!といちごをもらってきた子は誰かが困っている人にどんどんいちごをあげられるのでは?って思っています。例え手元にいちごがなくなったとしても、どうせまた親からもらえるしっ!ってとこなので躊躇せずどんどん困っている人がいたらあげちゃいます。そして自分のいちごが底をつきてしまっても困っている人がいたら「あなたのいちごあの人にあげてね!」と他の人まで巻き添えにして何とか困っている人を助けてあげたりして・・・ 困っている人にいちごをあげながら人助けをしているとお返しとしてバナナやぶどうまでもらえたりして・・・また余った分を誰かにあげることもできたりするのかな~?って思っています。

一方、親の理想の子に近づいた時だけいちごをもらえた子は(例えばお手伝いをした時、テストで100点をとった時、親の理想の学校に入学した時、親の理想の就職についた時など)人一倍頑張って努力してもらったいちごだから何万個あっても誰にも渡せなんじゃないかな~?近くにいる誰かがいちごをあげて人助けをして喜ばれているのを見た時は(同じようにやってみよう!)と思ってもこれはムリしていることなので心の底から「はい!どうぞっ!」って渡すことは難しいかもしれないし・・・何より自分のいちごが底をつきてもいちごは誰にももらえない・・・そのうちあちこちにいちごをあげている人のことを(あれでいいのっ?何やっているの?)何て言って足を引っ張ったり否定したりして・・・怒ってしまう人・・・淋しい人になってしまう気がします。(いちごの例えがわかりにくかったらごめんね!)

 

今回の保育時間の縮小により親の負担が大きくなりました。今までやってきた私の考えとして、親が子育てに疲れてきたり大変になったら子どもも同じように疲れてくるし大変になると思っているので、面接にきたママには「おもいきって預けてしまったら?大丈夫です!子どもはすぐここで楽しめるようになるよ。大人も自分の時間が出来れば疲れや大変さも忘れて自分を取り戻せるようになるし・・・笑えるようになると思うよ」と言ってきました。が・・・ここにきて初めて自粛して欲しい・・・と伝えている私・・・

 

今色んなことを考えています。これでよかったのか?このままでいいのか? 毎年のことですが、ハイジにいられる時間がラスト1年をきった時からママパパとの話し合いが増えます。ホームがハイジではなく家になるからです。ハイジは第2のお家と思って欲しいと思っていても小学校に行けば毎日ハイジには来られないのが現実で一番リラックスができる場を家に作ることが大事になってくるからです。 今回のことで急にハイジにくる日数が少なくなり家にいます。子どもと親と向き合うことが多くなった今、ハイジに預ければそれで大丈夫!とは言えなくなってしまいました。んじゃこれからどうするの?ってことになりますが・・・

結論は今すぐには出ないだろうな~?試行錯誤の繰り返しだと思います。 でもこれはきっと時間の許す限りの話し合いが必要です。過去の話、現在の話、未来の話を一人一人から聞いたり私の話も聞いてもらったりしているうちに何かが変わっていくのかもって思っています。

青木悦さん(教育ジャーナリスト)が「子育てはひとりでやれるほどなまやさしいものではない」と言っていた言葉を思い出しています。子ども1人に対して大人10人くらいの手助けが必要だし、嬉しいことも楽しいことも悲しいことも辛いことも大人も子どもも一緒にみーんなで分け合って1人の子どもに関わって見守ることが大事のように思えます。

そして子ども達に望むことはひとつだけ・・・本当に困っている人にいちごを一個だけでもいいから躊躇なく「はいっ!どうぞっ!」と渡してあげられる大人になって欲しいな~
そしたら一人になることは絶対にない!と思っています!

2020・4・30…