2020年9月「ま、いっか」

この前の散歩は自販機が並んでいる公園に行きました。男の子たちが自販機の下を覗いてお金が落ちていないか探しています。「あったー!」とすぐ100円を見つけました。

でも・・・100円では値引きしていたコーヒーしか買えない。もっと落ちてないかな~?と必死に探すみんな!「あった~!見えた!」とたくくん!ずーっと奥の方にチラッと100円が見えたようです。すると林の方に走って行くみんな!長い棒をそれぞれ持って自販機の下に突っ込んでいます。そのうちたくくんが自販機の下に棒を突っ込んだら黒いコードが出てきてしまいました。かなくんが「もうやめようやめよう!」と言いながらせっせと戻しています。

頭をコンクリートの地面にすり減るほどくっつけて何とか棒で100円を手前に動かして5分以上経った時「取れたー!!」とたくくん!「よしっ!これでジュース買えるー!!」と周りで応援していたみんな大喜び!

その一部始終をベンチでお弁当を食べながら微笑ましく見ている40代くらいの男の人がいました。「このお金使ってもいいの?」「どうする?」「あの人見てたよ?」と私が小さい声で言っているとひーちゃん、みーちゃん、ゆづちゃん、ももちゃんが男の人に近づいて「このお金使っていいですか?」と聞きに行っていました!「いやいや・・・あの人のお金じゃないからっ!」と私!!そのうち「ありがとうございま~す!!」なんて言っています(笑)

こんなに頑張って拾った200円を管理事務所に持っていくのもどうかな~?

例えば私が100円を自販機の下に落としたら拾わない。ということはそんなにその時は必要ないってことだろうと思ったので300円追加しジュースを3本買いました。

ポカリのグループ、CCレモンのグループ、オレンジジュースのグループに分かれました。ま~ちゃんとひーちゃんはオレンジジュースです。途中で「もういらないから誰か飲む人~!」とま~ちゃんとひーちゃん!!「えっ?!いいの??半分残っているけど二人で分けちゃったら?」と言ったけど「いいの~!!」と言うので一口ずつコップに分けてみんなで飲みました。

 

ま~ちゃんのママは甘いものをあまり食べないということもあり、ま~ちゃんも何となく自然に甘い物は遠ざけて過ごしていたようです。それでもハイジでおやつの時間になるとおかわりは絶対欲しいし、おやつで奪い合いになりケンカになることも度々なので、大人は「ま~ちゃんだけね!」と言ってま~ちゃんにだけおやつを渡すこともあります。そんなことが続いて1年がたった今「ジュースいらない!みんなにあげる~!」と言ったま~ちゃん!びっくりでした!その話をママに伝えると「心が満たされたんですね~」と笑っていました。

 

食べ物もそうですがテレビもDVD鑑賞もゲームもおもちゃもカードゲームも同じで、大人の価値観で決めたことは「どうして?」「何で?」「今見たいのに~!」「今欲しいのに~!」と子どもは不満ばかりが残ってしまう気がします。そしてそれが強ければ強いほど「あれっ?僕のこと私のこと好きじゃないの?」なんてことになってしまって・・・大人が他のものでせっせと穴埋めしても今を生きている子どもに今欲しい物が手に入らない!ということは自分を否定されていることと同じかもしれない。

でもムリなことはムリ・・・できないことはできない・・・ムリして子どもに合わせるってことは大人の心が満たされないということにもなる・・・

 

最近この本【ま、いっか!作=サトシン 絵=ドーリー】に出会いました。内容を少し書いてみますね。

テキトーさん11時に起きて会社に遅刻するところから始まります。

最初はネクタイを間違えて付ける。ま、いっか!

犬にキャットフードをあげる。「ま、いっか!」

バス停も乗り過ごす。「ま、いっか!」

会社に行くはずが海についちゃった。「ま、いっか!」

バスの中に鞄も忘れる。「ま、いっか!」

でもせっかく海まできたのだからと言って服を脱いで海に入って泳ぐ。面白い泳ぎで周りの人から拍手喝采。海からでると靴しかない。「ま、いっか!」

服が全部海に流されてしまった。「ま、いっか!」

今からでも会社にいかなくちゃ!お金も服もないけどパンツ一丁で歩き出します。町に着くころ辺りは暗くなってきて「さすがに社長はカンカンだろう」と思います。無事に会社に着いたら守衛さんが「今日は日曜日で会社は休みですよ」と言いました。

自分で目覚まし時計を遅めにして寝たんだったっけ~!

でも遅刻じゃなかったから 「ま、いっか!」

こんなテキトーさんのお話しです。

 

仕事や大人同士の付き合いでこんな風に「ま、いっか!」をやってしまうと信頼を失うことになるだろう・・・

でも子どもと共に毎日過ごす大人はこの「ま、いっか!」が沢山あった方が生きやすい気がします。

牛乳こぼしても「ま、いっか!」

夜少しくらい寝なくても「ま、いっか!」

朝少しくらい寝坊しても「ま、いっか!」

ご飯はあまり食べなくておやつばかりだけど「ま、いっか!」

服もよごすけど「ま、いっか!」

予定していた公園には寄り道ばかりで辿り着けないけど「ま、いっか!」

勉強やらないから宿題溜まってきたみたいだけど「ま、いっか!」

 

こんな風にすべて「ま、いっか!」で済ませられることは出来ないし、やろうと心掛けてもストレスが溜まってしまうかもしれない。でも子どものことも大人のことも相手に変わってもらうことは、とても困難な気がします。

それなら自分が変わるしかないっ!!

でも・・・変わるってことは過去の自分を否定することにもなるので勇気が必要な時もあります。

 

今ハイジだよりの2005年から2015年までをまとめた本が出版に向けて大詰めの段階にきています。

2005年から一緒にハイジを作ってくれていたスタッフのあすかが「ゆうこさんって変わりましたよね~怒らなくなりましたよね~」と2011年に言っています。開園した当初はどれだけ怒っていたのか・・・

そして2020年の今はもっと変わっているんだろうと思います。

 

昔をよく知る人に「ゆうこさんは喜怒哀楽がハッキリしていてストレートに物事を考えてそれだけを人に伝えるゆうこさんっていうイメージですね」と言われたことがあります。

今は言った後の展開を先読み出来るようになり言った後の後悔のことを考えると全てのことをストレートには人に伝えなくなっています。それが大人になったってことでもあるけど、逆をいうとグチグチ遠回りに伝えて余計なことまで言ってしまい人を傷つけることもあります。

でも・・・これも自分なのだから仕方ない・・・と思って過ごしています。

この前自主映画「みんなの学校」の木村校長先生とZOOM対談がありました。

先生が「過去は何億円払っても変えられない。でも未来は明日から今からでもただで変えられる」と言っていました。

変わることは勇気がいることだけどその後には今まで見たことのない景色が見えるかもしれないです!!

2020年9月24日