2019年7月「自分で決める」
先月のある日「もっとハイジで遊びたい!」と5時間(10時~15時)コースで来ているたっ君(4歳)が言い出しました。ママはたっ君の気持ちを汲んで「今日は夕方までお願いします。」と帰って行きました。ほのちゃん(妹)は帰るのでまた迎えに来なくちゃいけない。
お金もプラス料金がかかります。私はそれでもいいのかな~?と思いましたが、そこには
たっ君の気持ちを一番に尊重するママがいました。絵本とおやつがあればご機嫌のように見えたたっ君がその頃から友達と遊びこむようになりました。そうなるとあっちでもこっちでも派手なケンカが始まります。ケンカの途中で泣いているたっ君に「やめる?」と聞いても「やめない!」と首を横に振っています。そのうちケンカが収まりまた遊ぶ!またケンカする!の繰り返しです。
どの子にも言えることですが、ケンカを通して○○はこういう人!○○はこの事で怒る人!○○はこれが好き!など理解し合っているようです。
ゆう君(5歳)休み明けは特に、ママと離れられずにいます。半泣きですが日中は遊べていることも多いのでママからムリやり離す日々が続いていました。が、ある日公園でぽろぽろと涙をこぼしています。後で聞いた話では靴が濡れたことが嫌だったそうですが、その時「ママに会いたい?」と私が聞いたら大きく「うん!」と頷いたので靴も濡れて嫌だったしママにも会いたいってことだったのかもしれません。
次の日ゆう君ママと話をしました。私が「今度ゆう君が帰りたいと言ったら帰ってみてもいいのかもね?ママが予定ない日で無理しない範囲でゆう君の気持ちを汲んであげてもいいのかも?」と伝えました。次の日いつものように「帰る!」とゆう君!ママと手を繋いで帰っていく後ろ姿はスキップでもしているかのようなウキウキの様子でした。「ずっとこうしたかったんだー!」と言って一日楽しく過ごしたそうです。その後もハイジには来るけど、そのまま帰るという日を2日間続けました。3日間休んだ後のゆう君はどうなるかな~?と思っていましたが、今までにないくらいデカい声で大騒ぎ!プールでも大はしゃぎ!一番楽しそうに入っていました!
気持ちを汲んでもらったってことが自分の自信に繋がったようで何よりです!!
ひび君(1歳から来ていて今小学3年)は大人数の児童館から少人数の児童館に移りました。ある日ひび君ママが児童館に迎えに行くと「来月のお便りはもういらないですよね~」と先生に言われたそうです。「えっ?何?」と目がテンのひび君ママ!「ここは6月いっぱいで辞めます」とひび君が自分で決めて担当の先生に伝えたそうです!パパもママもそんな話聞いていなかったのでびっくりです。色々考えて自分の中で決断して自分で行動したようです。
私たちもひび君がここまで自分で決めて自分で行動するということにびっくりでした。
ひび君はこの先何があっても親の決めたことはやらないで自分で決めるね~とひび君ママと笑って話をしました。
本人はすっきりとした清々しい顔で毎日過ごしています!
先日、一人娘のいる方とお話しする機会がありました。「親のことが嫌い・・・というか好きと思ったことがない。でも最近親が望む子どもでいようと頑張っていた過去の自分に気付いてきたんです。」と教えてくれました。
こうやって自分の気持ちを整理して人に伝えることが出来るようになるためには、もしかしたら大きな覚悟や時間が必要だったのかもしれない。でもそれが出来たから我が子と初めて向き合って、子どもを育てるというか子どもと生きる一歩を踏み出せたのかもしれない。
『親のレールにのってきた』と気が付かない人は、そのまま我が子にも自分のレールを敷いてのせてあげればいいので、悩みも辛さも悲しみもなく過ごせる・・・
でも『親のレールにのせられてきた。自分の人生を歩みたかった!』と
気が付いてしまった人が、我が子にはレールを敷かない!自分の人生を生きなさい!と伝えながら一緒に生きていくのは相当大変なこと。
激しい抱っこの要求。食べ物や洋服の好き嫌いの激しさ。友だちとの関係。勉強の取り組み方。自分のレールから外れることばかりして大人が振り回される、ガマンする、辛い思いをする・・・ことの方が多いのかもしれないです。
でも親のレールの上を歩いてきたけど我が子にはレールを敷かなかった!という事実は残ります!いつか大人になった時、我が子に染み込んでいる。自然とにじみ出てしまう。誰がどうやっても外すことの出来ない『優しさ』だけは誰にも負けないものを持っていると思います。
だって今(これでもかっ!)と自由に過ごせているっていうことは自分で決めたことを認めてもらえたということですから・・・自然と優しい気持ちは芽生えてくれているはずです!
そして私たち大人よりも優しい大人になってもらって今自由にハチャメチャにやらかしてくれているこの子達に、めいいっぱい優しくしてもらえる日が必ず来ると信じ込んでみる!
ハイジでも自由を満喫した後のしっちゃかめっちゃかの部屋を片付けしながら(将来は頼むよ~!)と恩を売って過ごしている毎日です(笑)