2019年4月「がんばらない」
無事に新年度がスタートしました。
昨年度の年長さんは女子4人でした。大人からみれば優しく頼りがいのあるお姉さん達でしたが、下の子達にとっては、守ってくれるけど怒ったら怖い、そして厳しい存在だったようです。4人が小学校に行った次の日のバスの中はもの凄くうるさい!「あれっ?こんなにみんなしゃべった?こんなに騒がしかった?と、あずみと笑ってしまいました。
そうです!!
今までバスの中で大声を出したら「うるさい!」など言われていたのです。いなくなった途端、みんなが一斉に大声でしゃべり始めたのです。これには大人もびっくり!
自由保育は何でも自由に出来て、楽しく過ごせるって思う方も多いかと思いますが、ちゃんと子ども達なりに気を遣って過ごしているんだと改めて実感しました。
とは言え4人がたまに遊びに来ると在園児はみんなで抱きついて喜んでいます。
4人も「やめて~やめて~」と言いつつ嬉しそうに過ごしています。
1年生のあおちゃんママからラインがきました。
あおちゃんママ
『入学式で入退場せず、席にも座れず泣いていました。でも写真撮影や教室での説明は普通に出来ました~。とりあえず頑張りました。家に帰り「どうして歩かなかったの?」と聞くと「恥ずかしいからあんなの歩くわけないじゃん」なーんて言っていました。私も「別にそんなのどうってことないよ!」と伝えました。あそこまで自分の意思を通したあおは凄いなと思えます』
ゆうこ
『そうなんだ~歩けるわけないんだ~!ハイジで自分の意思は伝えなさい。伝わらなくてもせめて伝える努力はしないと誰にもわかったもらえないよ!と言い続けていますが、入学式で通さなくてもいいのにな~って思ってしまいました。(笑)でもそれこそ卒園児!誇りに思います!』
あおちゃんママ
『いやぁ~こりゃ将来大物になったちゃうかも?って思っちゃいましたよ!私もハイジのお蔭でこんな風に思えるわけで、これからもあおちゃんのペースで何とかやっていけるようにサポートしていきます』
一ヵ月経った今は楽しく学校に行っているそうです。朝の挨拶で名前を呼ばれたら手を挙げて「元気です」と言うことはしないらしく、毎回その時にはみんなに注目されているそうです。言うよりましってとこのようです。(笑)
ある日みんなが園庭の砂場に山を作って山の下からホースを入れてブクブクと水が溢れ出てくるという遊びを始めました。う~んこれはどうなのよ~?水道代どうなっちゃう?と思いつつ見守りました。がどんどんエスカレートしていきます。「もう終わりー!水なくなっちゃう!」と言うと蛇口を止めます。が私がいなくなるとまた水を出します。水が出ないように蛇口を取って閉まってしまうと、ちゃんと見つけてまた出していました。結局私が蛇口を持って休憩に入りました。が、戻ってみるとスケールの大きな山と穴!そしてその穴に沢山の水がたっぷり入っています。遊び用の戸井があってそれを繋げてもうひとつある蛇口から戸井を通して水を入れていました。こんなに溜まっているってことは何十分出していたのー!とブチ切れた私!子ども一人一人に文句を言います。そして最後にスタッフにも「わかっていたのなら止めてください!」と宣言!それを見たみさちゃん(小3)が初めてやばいっ!って顔をしていました。
この日の午後はのりこの誕生日会です。この気持ちのまま切り替えは出来ない。ノートを書いていたスタッフのさとちゃんに「どうしよう!このままでは祝えない!」というと「どっか散歩してきたり、お茶飲んできたらどうですか~?」とこの場を離れることを提案されました。が、話をしているうちに落ち着きを取り戻し始めました。
この時遊びにきていた卒園児のかい君(中2)に言われた一言が気になります。
「ゆうこって自由保育にしているけど自分で自分の首を絞めているときあるよね~」
そうです!!
子どもの想像力とか発想力とかやる気とか達成感とか・・・
そういうことは大事と思っているけど・・・
そのことを全部満足させようと思えばとんでもないことをやられるし、言われるし・・・
子どものためを思って自由にさせているけど自分が怒っていたら本末転倒です!
これは子どもに塾やピアノや英会話やプールなどに通わせることと同じなのかもしれない。この子のためにと思って時間とお金をかけて始めたことが裏目に出てしまい途中で「いかない」「やらない」となってしまう。
受験なども同じで受験させると決めたからには大人がこの子のために頑張る!頑張っている姿をみたら子どもはもっと頑張る!そして次は大人も頑張る!子どもも頑張る!
この頑張る!が積み重なって頑張った結果受験に合格する。けど・・・
入学出来たらもう頑張る力はどこにも残っていなくて学校を辞めてしまうって話は耳にします。
大きな決断を持って大人が決めたことが正しいか正しくないかは、子ども本人が決めることです。が、小さい時に自分の気持ちがちゃんとわかっている子は「やりたくない!」と言えるけど、わかっていないと弱者である子どもは強者である大人の意見に流されてしまうと思います。
そして自分のためじゃなく、自分のために自分以上に頑張ってくれた大人のために生きることになる。
大人が子どものために自分の人生を犠牲にしてまで頑張ることは、それに応えようとする子どもにとっては本当にしんどいことだと思います。
まずは自分が楽しく!笑えること!が一番大事!でもこれが一番難しいです。
ちなみにあれからの水遊びですが、「ゆうこ~ホース貸して~ちゃんと水は止めながら遊ぶから~!」と私の機嫌を取りながらやってきます。「いいよ~ちゃんと止めてね~」なんて優しく言っている私!この前しょう君は少し使うとちゃんと元の場所に片付けていました!
気を遣わせているな~!!でもこれがちょうどいいのかも!?