2019年3月「卒園おめでとう」
しばらく前になるのですが、押し入れのところでみさちゃんが大泣きで怒りまくっています。
「あらら~どうした?どうした?」と近づいて行くと「折り紙で作ったものがぐちゃぐちゃになっていた!!」「ここ(押し入れ)に置いておいたのにー!」と叫んでいます。小さい子も近くにいたので多分誰かが触ったんだろうな~
でもここに置きっぱなしにしてどこかに行っちゃうみさちゃんもみさちゃんなんじゃないの~?と心の中でぶつぶつ文句を言う私!「また作ればいいじゃん!次から大事な物はここに置かない方がいいよ」など言ってはみたけどそんなことは聞こえません!
少しするとみさちゃんが「ひなちゃんが作ってくれたの~!」と叫び出しました。
「あ~そっか~ひなちゃんが作ってくれたものを壊されたから嫌だったんだね。わかった。んじゃひなちゃんにまた同じ物作ってもらおう!」と言った後、ひなちゃんを探す私!押し入れにいました!いました!
「ひなちゃん~またみさちゃんに同じもの作ってあげて!」とお願いすると黙々と下を向いたまま何かしています。そして「今作っている」とひなちゃんが一言いました。
そう!!私とみさちゃんとみさちゃんママの3人であれでもだめ!これでもだめ!とやりとりをしている間にひなちゃんは(私が作ってあげた折り紙を壊されているから泣いているんだ!)と察して何も言わないで作り始めていました。その後ひなちゃんが作ったものをみさちゃんに渡すと泣き止み無事に帰って行きました。
そうだよね~二人には二人にしかわからないことがいっぱいですね~
あ~また始まったみさちゃん~これからどうなるのよ~などなど・・・
私は心の中で文句を言っている。人に寄り添う気持ちの少なさにがっかりしたこと。
そしてみさちゃんのために必死で折り紙を折るひなちゃんの姿を今でもはっきりと覚えています。
先週そのひなちゃん、あおちゃん、なみちゃん、あやちゃん(4人は年長)りおちゃん(3歳)だい君(2歳)はる君(4歳)が卒園しました。
一人ずつに作ったアルバムを渡したり、私が作ったDVD(曲に合わせて小さい時から今までの写真をまとめたもの)を見ました。DVDではパパ達も感動して涙を流してくれる方もいて私達スタッフは大満足の一日でした。
そして次の日なみちゃんママが「卒園式の帰り大変でした~!なみ(6歳)とみさ(小3)で泣きながら帰ったんですよ~」と言っています。「えっ?!どうしたどうした~?」と聞くとみーちゃんが「なみちゃんだけ感謝されてずるい!」と言い出しそこから口ゲンカが始まったそうです。小さい子の面倒をよくみていたなみちゃんは沢山のパパやママに「ありがとう!」と言われたらしくそれを見たみーちゃんが「私だって感謝されるってわかっていたら面倒みたんだー!」と怒り出したそうです。なみちゃんは「私だって楽してないよ!これってなんのケンカなの?」と訴えていたそうですが・・・そりゃそうですね~(苦笑)
今年はクッキングが好きな女子4人ということもあり、3月に年長レストランとして小さい子に新幹線と動物のトラとブタのオムライスを作って振る舞ってもらいました。その延長で卒園式の後にママと4人で作ったクッキーやカップケーキを振る舞ってもらいました。小学生の女子から「私の時はなかったのにー!」と声が上がっていたらしく、みーちゃんもきっと同じようにみんなに振る舞いたかった!って気持ちもあったろうな~
みーちゃんとなみちゃんは時間と共に仲直りしたそうです。
卒園式にはなみちゃんとあやちゃんがダンスも披露しました。今流行っているパプリカという曲です。あおちゃんとひなちゃんはその後ろで見ていました。
次の日夕方だけ働いてくれているゆかりちゃんが「あおちゃんすごいね~!今完璧にパプリカ踊っていたね~卒園式の時はそざ盛り上がったでしょう!」と言いました。
「えっ??卒園式は踊ってないよ!」と伝えるとびっくりしていました。
あおちゃんは完璧に踊れても当日は踊らなかった。でもそんなあおちゃんの気持ちはどんなものなのかな~?
私の方が上手いわ~!私だって踊れるんだからね~!って思っているに違いない!!(笑)
大人は卒園式が終わって、あ~よかった!終わった~!と一安心していますが、子どもの心の中では何を考えて何を思っていたか?なんてわからないことが沢山ありました。
ハイジで過ごした数年の中で、この腹の中のどす黒いぐちゃぐちゃした感情の部分をあからさまに(これでもかっ!!と)出した子!出すことを止めなかった子!止められなかった子!出している姿を間近で見てドキドキしながら見ていた子!出している姿を間近で見ても平気になっていった子!
子ども同士の喜怒哀楽の姿を見て人の気持ちの奥の奥の方をはっきりわかる子に育っているはず!
もちろんそれには自分の気持ちがハッキリとわかる子になっているから、人の気持ちもわかる子になっているはず!
そしてどんなことも許してあげることが出来たという優しさは本当の優しさだと思います。
例えば算数の方程式は教われば出来るし覚えたら人に教えられます。が優しさって難しい。周りの人の真似をして同じことをやってあげれば「優しいね!」って言われるかもしれない・・・
でも、自分からだれかにやってあげたい!こうしてあげたい!という強い優しさには本質を突く優しさがあって、人の心を動かす力があると思います。
逆に許してもらう経験は自信なのかもしれないです。沢山の人に弱い所を見せて認めてもらって、ありのままの姿を受け入れてもらうことが自信だと思います。どこにも一人で生きていける人はいないですからね・・・
この優しさと自信はどちらかが欠けていては本当の強さではない!
ハイジで一緒に生きてきた日々が糧となり、それぞれの心の中に生まれた種がいつかどこかで芽を出し茎となり葉っぱとなり花を咲かせる日がくると信じています。
そしてその花でどこかの誰かの心を動かす人になってくれるはずです!
その種をもっていれば大丈夫!大丈夫!
いってらっしゃい!!
卒園おめでとう!!