2018年12月「ほどほどに・・・」

冬休み初日からひび君(小2)が大荒れです。公園の場所が決まったのに「そこじゃやだっ!」「違う公園がいいっ!」「このおやつじゃやだっ!」「あれしろ!」「これしろ!」などなど・・・数えきれないほどの難癖?不満?

全てのことが嫌なことだらけで大人はもちろん子ども達も本当に大変な散歩だったようです。

午後になると何やらひび君の怒り狂う唸り声響いています。私が行った時はげん君(小4)に向かって「うっわー!」だの「うっせー!」だのと叫び続けていました。

今までの経緯をスタッフに聞くと、少し前ひび君が殴りかかってげん君がやられたそうです。そしてげん君にも「やり返していいんだよ」と言うと「えっ??いいの?」とびっくりして、そして怒って泣きながらやり返しに行ったそうです。

でも妹のりょうちゃん(小2)「こんなげんちゃん初めてみた。怖い。やめて。」と泣きそうになっているのでその場を離れてもらっているところでした。

 

少し時間が経って子ども達の話を聞きました。「ドッチボールを急にやめた女子のことをひび君は怒っていて、もっとやりたかったらしい。その後げん君と遊んでいたけど変なことを言われてブチ切れてしまった」という話でした。

ひび君は少しでも怒られたりバカにされたりすると本気で怒ってしまいます。そうならないために、宿題はちゃんとやるし、合わせるところはちゃんと合わせられます。でも一度怒り出すと切り替えは難しいです。

げん君は睨まれている間「もうやめたいよ~」「もう言わないからさ~」と冷静に言い出しています。「このままどうすればいいの?」と聞いてきたので「ハイジではケンカ止めないからね。自分達でどうにかするしかないんだよ」と伝えました。

すると「あの時・・・小学校でさ~僕は悪くないのに先生に怒られて謝らされた。」

「えっ?いつ?どこで?」と聞くと「今年だよ。掃除の時間にさ~あの子が悪いのにさ~」と涙を拭きながら話始めました。

ずっと抱えていた、怒っていた自分の気持ちをその瞬間で思い出したようです。

私は今?それ?とちょっとびっくりしましたが、よっぽど悔しい思いをしたんだろうな~と思い近くで寄り添って話を聞きました。

 

少ししてからもうげん君は怒っていない、ひび君は怒りを止められない。これは仕方ないことなので切り替えてげん君とみんなと大繩して遊ぶことにしました。げん君は晴れ晴れした顔です。ひび君はみんなが楽しんでいる大繩を邪魔していました。僕も入りたいってとこのようです。20分もすると怒りが収まったらしくケロッとして大繩していました。

 

それにしてもひび君は朝からいつもの100倍は怒っていました。これは何かあった?悩みある?ストレス?すぐにひび君ママに電話します。そして夕方部屋に入る前にひび君のいない場所(駐車場)であずみと私とひび君ママで話し合いです。一日の流れを説明すると「そうですよね~そうですよね~ガマンさせているのはわかっていました。人数が増えた児童館が大変らしくどうにかしなくちゃって思っていました。でも何となく行ってくれているし慣れた人だし安心だし他に移るのも大変だし・・・と今までごまかしていました。ちゃんと明日からのこと考えます!」

全て私達の言いたいことがお見通しのひびママでした。

「家ではやだな~って言うくらいなんでごまかせちゃうんです。もう暴れないし叫ばないし・・・ハイジではガマンしないで自分を出すんですよね~」と言っていました。

 

 

 

そうなんです!ハイジでは卒園児が来るとみんな「行くぞー!!遊ぶぞー!!自分を出すぞー!!」」と気合を入れて勢いよくやってくるので大人も在園児も目がテンのこともしばしばです。でも3日もすれば落ち着きを取り戻し優しくなったり穏やかになったり小さい子の面倒を見始めたりします。

 

大人が(子どもだからわからないだろう。大丈夫。こっちだって頑張っているんだし、毎日大変だからね。今日乗り切ってくれさえすればそれでいいからね。よろしくね!)

みたいな感じでごまかして過ごしていくことは先々の信頼関係が築けない。そして続かないと思っています。

 

例えば子どもが赤いボールが欲しくても、大人はこっちの方がきれいだし自分が好む白のボールを与えたい!そのまま白いボールを与え続けていくと「あれっ?僕は(私は)赤の方がよかったけど、こっちの方が似合うのかも?大好きなパパやママがこっちの方がいいって言っていたし、一番自分を大事にしてくれているからね!白の方がいいのかもしれない!」と自分の気持ちをごまかせるようになってしまう。これが段々普通になっていって自分の気持ちはどうだったか?何色がほしかったのか?わからなくなってしまう。そのうち欲しかった赤が手に入らないのであれば欲しくもない青のボールが欲しいなんてことにもなったりして・・・さっぱり自分の気持ちがわからない。そして誰かが黄色がいいと言えば黄色を選び、ピンクを選べばピンクを選ぶ。という風になってしまう。

こうなると大きくなってからの自立となるとそれでは難しいと思っています。

 

ひび君ママとの話し合いで子どもは0歳だってごまかせないよ!ましてはひび君は絶対無理だよ!そしてこの前読んだ佐々木正美さんの本にこんなことが書いてありましたよ!と伝えました。

 

「子どもの様子がいつもと違うと思ったら学校どうだった?誰と遊んだの?友達できた?いじめられた?嫌の子いない?など聞かないでください。ただ今日何か食べたい物ある?と聞いて食べたい物を作ってあげて下さい。そうすると自分の方からぽつぽつと話を始めるかもしれません。言っても大丈夫な雰囲気を作ってください。」

 

ひび君ママは「はい!そうします!ありがとうございます!」と明るく帰って行きました。

 

大人が走っていると子どもはその後ろ姿を見ています。走らなくてもいいけどせめて早歩きくらいはしないとまずいかも?と思って頑張ります。頑張りすぎるとその頑張りは続かない。どこかで休憩しなくちゃいけなくなります。それは1分なのか10分なのか1週間なのか1ヵ月なのか1年なのか10年なのかわからないけど、そこまで頑張らなくちゃいけないことって人生の中でそんなにないとも思っています。

でも必ずどこかで頑張らなくてはいけない時がきます。頑張らなくちゃいけないその瞬間のために今は頑張ることを止めて思う存分遊ぶことも大事!!

子どもはもちろん大人も、立ち止まって歩いたり休んだり寄り道したりして過ごせる場所としてハイジの存在があったら嬉しいです!!

 

そう!そう!ハイジの卒園児さん!ここではいくらでも好きなことやって充分休んでくださいませ!!

でも・・・ほどほどに・・・(苦笑)

 

このハイジたよりを読んでひび君ママがメールを送ってくれました。載せてみます!

 

 

ゆうこさん

朝、メール見て、たくさんたくさん書いてくれてありがとう。

ひびも冬休みを待ちに待っていましたが、やっと思いっきりひびが自分をだせる時間がくる!のを、私も待ちに待っていたので、今そのときが来て、本当にほっとしています。それにしても、1日目、予想以上に出しすぎたのが、予想以上にストレスが、たまっていたのが、分かって、よかったです。(ハイジは大変だったと思います)

帰りにハイジに迎えに行く時間が、親にとっても気持ちを楽にする時間だったので、それがないと、親もひびもずっと素になれないでごまかしながらだから、もっとストレスたまっていく悪循環、、、。やっと少し落ち着いた。

新しい年になる前に、ひびも自分をだせてよかった。学童も学校もひびはかなり緊張を続けていますが、私の前では、やっぱりそれは出して来なかったというか、出させなかったというのが正直なところなので、ひび、やっぱりストレスたまっていました。

ハイジのスタッフは、冬休みいきなり大変でしたね

今年も本当に本当にありがとうございました。

どうかどうか残りの冬休み、まだまだよろしくお願いします。

 

 

今年も無事に終わることが出来ました。また来年もよろしくお願いします!

 

HPを今年も読んでくださった方ありがとうございました!