2018年7月「夢」

公園から帰る時は「もう帰るよ~」「お腹空いたから帰ろう!」「みんなの分の給食なくなっちゃうよ~」など伝えます。この日も何とか歩き出しました。最後の最後にアスレチックのネットで飛び跳ねてこれで終わり!という所で「やめてーやめて―」と女の人の声、、、振り返るとしん君がネットの上でキックしています。「何してるのー!」と走って戻る私、、、たっ君?女の子?(2歳くらい)何を蹴っていた?何?どうした?とりあえず

「小さい子やったらダメって言っているでしょー」と焦って怒る私。

「たっ君にやったの、、、」としん君。(たっ君は何?何?って感じで泣くこともなくさっさとバスに乗り込んでいます。)

 

たっ君を蹴ったら近くに女の子がいてぶつかったらしい。

抱っこしてこの話を聞いていた女の人が後ろから「小さい子やったらだめでしょー!」と凄い勢いで怒っています。

私が「しん君、、、しん君が100だとしたらあの子は20くらいだよ。同じように20くらいに落とさないといけない。強いって事は優しくしなくちゃ一人になっちゃうんだよ。」と凄い勢いで伝えます。

この女の人より怒らなくちゃ。気が済んでもらうまで。私が言い聞かせていますから。叱っていますから。許してください。どうにかこの人の怒りを抑えて円満に終わらせなくては。と必死でした。少しすると「もうあっちへ行きますから大丈夫です」と遊具の方へ移動してくれました。

 

あ~よかった。と思うと冷静にしん君の話が聞けます。すると「たっ君がネットの所で手を踏んで、どいてって言ってもどかなかったのっ!」と腕で顔を隠し涙を拭いているしん君。悔し涙です。

 

バスで待つみんなの所に戻ります。今あった話を説明するとあやちゃんが「しん君は何もしていない子にはやらないよ」と言いました。(ハイジではやってるので公園などで会った知らない子にはやらないって事だと思うけど)

 

そうだね、、、そうだよね、、、

 

ハイジに戻りのりこと話をします。あれだけ(子供に添う)とか(子供の味方)とか(子供側)とか(子供を信じる)とか(自己肯定感を作るのは近くにいる大人)など散々言ってきたけど、いざこういう場面になると自分の体裁を守るんだな~と思うと今まで言ってきた事が嘘のような気がしてきた。と伝えます。

のりこからは「あの場面ではひたすら謝って後からしん君の話を聞けばよかったね。」と言われました。後ろにいる女の人に向かって必死に目の前にいるしん君を怒っている私って何なんだろう、、、大人だから、、、その場を何とか抑えたかったから、、、

悔し涙が出ました。

 

この前、保育士になった21年前の初日に「抱っこ~寝る~」と走って来てくれたゆうごが遊びに来てくれました。今ハンガリーの大学に行っているのですが夏休みで日本に帰ってきています。高校で体操をしていた事もあり、みんなの前で側転など見せてくれました。1時間程遊んだらすっかり仲良くなったゆづちゃんとみあちゃんとももちゃんとひかちゃんは駐車場まで見送ってあげていました。また来年ね~ってバイバイしていました。

 

そうそう、、、ゆうごもみんなの事を噛んで大変だったな~と思い出しました。ある日誰かを噛んでベテラン保育士さんに怒られ大泣きしていました。私が入って間もなかった事もあって泣いているゆうごを見て泣いてしまいました。そうです!ゆうごが悪いんだけど、、、そんなに怒らなくてもって気持ちだったんだろな~

 

もう20年も前の話です。

 

結局自分に関わった子は

みーんな可愛がってください!

みーんな優しくしてください!

みーんなそんなに怒らないでください!

って事が素直な気持ちのようです。

 

夏休みになって小学生が何人か来ています。夏休みまで後1ヶ月か~!2週間か~!来週か~!明日か~!どういうわけか大きなプレッシャーを抱える私、、、ハイジは自由だー!開放されるー!昔の自分に戻れるー!と口に出しては言わないけど溜まっていた子供達のエネルギーがパワー全開でやってくる気がします。というかやってきます!そしてそれに100%で応えようと無意識に思っている私、、、0、1才で初めて会っておむつを散々替えた時から一緒に人生を歩んできた子達が、今身長が同じくらいになって足のサイズも23センチになっています。

ある日の夕方クーラーを止めると「何でだよー!」と怒り出した小学生。「扇風機持ってこい!」と言われムッとしたけどここで揉めても面倒だから。。。と持って行きました。がしばらくしたらあやちゃんが「こっちクーラーも扇風機も付けっぱなしだよ」と教えてくれました。どこからかリモコンを持ってきて誰かがまたクーラーを付けていました。

「何でー!どうしてー!いつからー!誰がー!」と怒りまくる私、、、もう怒りの気持ちが収まりません。

そう、、、珍しく言う事を聞いて大人しく扇風機を運んだ事がいけなかったんだー!そんな事したから裏切られた感が強く感じるんだ~

そして勝手に抱えている夏休みに入る事へのプレッシャーが輪をかけている事に気が付きました。自分のいう事を聞かせる。何かをさせる。何かをしてもらう。思えば思うほど溝は深くなっていきます。

ハイジが始まって間もない時に入園してくれた子。ハイジで初めて6年間過ごした子。ハイジから小学校に入学した子。私にとっては長男長女って感覚かもしれないです。初めての事。知らない事。は不安です。自信もない。それが子供を信じる事に繋がらない。だから口やかましく言っちゃうのかもしれないです。勝手に一人で引き受ける責任をプレッシャーを感じているのかもしれないです。

 

大きい子は小さい子に優しく!

大きい子は小さい子よりちゃんとしなくちゃいけない!

大きい子は小さい子に譲ってあげる!

大きい子は小さい子の手助けをしてあげる!

大きい子は小さい子見本になる!

大きい子は小さい子の面倒をみてあげる!

無意識の中で何となくお願いしている事も多いです。そうやって生きてきた方も少なくないのかもしれないです。

絵本にも長男長女の気持ちを察して代弁している事が多いです。

 

でもこればっかりはどうにもならないし、、、どうしたらいいのかはわからないです。

とりあえずここでは生まれた順番など関係なく自分をさらけ出す事が出来る環境を確保する事かな~と思っています。

 

 

 

あーちゃんママから「ハイジの事だな~と思う文章があったので報告します」とラインがきました。

【安西祐一郎(独立行政法人日本学術振興会理事長)未来に生きる子供たちに必要な資質・能力とは】

~脳科学の研究によれば、社会情動的スキルは「気持ちの通い合う人のつながり」「いつも変わらず応援してくれる人たちの存在」「安心して戻れる場所」「一生振り返る事の出来る温かい記憶」といった要因によって高まっていきます。これらを子どもに保障する事は、今後の日本の教育における重要課題だと言えるでしょう。

ちなみに私には幼稚園時代の様々な楽しい出来事の記憶が鮮明に残っており、今でもふとした時に自然と頭に浮かんできます。それには、当時の幼稚園の先生は現在も同じ園で元気にお仕事をしておられ、私が時々先生にお目にかかっているという事情も影響しているのでしょうが、もっと本質的な要因があります。私は「あの幼稚園に通っていたころが自分の原点だった」と思っているのですが、そうした「温かい記憶(warm memory」だからこそ、長く思い出に残り、折に触れて呼びおこされるのだと考えられます。~

 

本当ですね~理想ですね~

現実の子供達は「んで?」「だから?」「何?」「やったし、、、」そして「腹減った!」ばかり連呼する毎日!

 

「ハイジあってよかった~」「いつも大変だね」「スタッフのみなさんいつもお疲れさま」「ゆうこ!ありがとう!」「ハイジのおかげで今も楽しく過ごしているよ」何て言ってくれる日がいつか来る事を夢見て、、、(苦笑)