2017年8月「理想と現実」

8月にスタッフのあずみが研修に行きました。その内容がとてもよかったのでまとめてもらい在園児の父兄の方の
コピーして渡しました。このHPを見ている方にも是非読んで欲しい内容なので8月に載せさせてもらいました。

突然のおたよりですが、、、
8/6に全国保育団体合同研究集会に参加してきました。
全国保育団体合同研究集会とは、全国から保育者、父母、研究者、栄養士、看護師、医者、行政機関など、保育や子育てにかかわる人たちが集まり、子育てや保育のことなどを学び合い、語り合う集会です。
今年は埼玉での開催ということで、以前勤めていた幼稚園(埼玉)から声をかけてもらい、私も久しぶりに参加することができました。
今年全国から集まった参加者は3日間で9320名。
子どもに関わる立場や保育に違いはあっても、「子どもたちが幸せになってほしい!」という同じ想いで、こんなにもたくさんの人が集っているんだなあと思うと、今回も行っただけで元気をもらえました。
そして、熊丸みつ子先生と高垣忠一郎先生の子育て講座に参加して、日々ハイジで「これでいいのかな、、、」「これでよかったのかな、、、」と悩みながら、迷いながら、それでも信じてやっていることに「大丈夫!それでいいんだよ!」と言ってもらえた気がします。
私はこれからも変わらず、子どもをだっこし、子どもの気持ちに寄り添い、子どものありのままを受け止めようと奮闘!(笑)する毎日を、あたりまえのように積み重ねていこうと思います。そして、子どもたちにとってそういう大人でありたいなあと思います。
高垣先生の「自分が自分であって大丈夫」という自己肯定感は、ハイジで大事にしている自己肯定感そのものでした。
「自分が自分であって大丈夫」という自己肯定感とは、部分的な性能のよさを評価することでうまれる自己肯定感ではない。ありのまま(在りのまま)を丸ごと認め、赦(ゆる)しと共感で育つ自己肯定感である。
そして、今の子どもたちには「ほめられる」経験よりも、失敗したり挫折したりして「ダメな自分」になったときに「赦される」経験が大事なのだと、、、

以下、今回の講座の内容をまとめたものです。
まとめてみると、やはり理論ぽくなってしまい、うまく伝えられないのが残念ですが、、、
(熊丸先生も高垣先生も個性が強烈!(笑)で、話もすごく面白かっただけに)
お時間あるときにでも読んでいただけたら嬉しいです。
あずみ

書籍もあります。
「大丈夫!子育て順調よ!乳幼児から思春期の子をもつ親へ」熊丸みつ子著
「自己肯定感ってなんやろう?」高垣忠一郎著

第49回全国保育団体合同研究集会(埼玉) 2017.8.6

子育て講座「今を生きる子どもたちへ伝えたい!親として 大人として 地域として」
熊丸みつ子先生(幼児教育専門家)

・笑顔は心の安定剤
・手がかかる子どもは順調!それにイライラする大人も順調!
手がかかって(大人の思い通りにならなくて)イライラするのは、子どもが順調に育っている証拠!
子どもは手がかかった分だけ成長する。生きる力が育つ。
子育ては手間ひまかかるようにできている。
手間ひまかけて育てられた子どもは自分も他人も大事にできるようになる。
・人は人の中でしか育たない。物では育たない。
・乳幼児期にやっておく(やってもらっておく)こと…泣く、抱かれる、笑顔をもらう
今、抱かれている子どもが少ない。この時期にたくさん抱かれていないと、子どもは次に行けない。
行けたとしても、もらわなかった年齢まで階段を下りてくる状況がいつか来る。
例.小学1年生で2才まで階段を下りてきたAくん
Aくんが2才の時に下の子が生まれる。下の子が病弱だったため、母親は下の子の世話におわれ、祖母がAくんの世話をしていた。2才から手をかけない、煩わしさを親に出さないAくんだったが、小学1年生で2才に帰り、2才の時に親にやってこなかった煩わしさを出すようになる。
暴れる、言うこと聞かない、母親に「だっこ!」「おんぶ!」など…
↓ 母親がとった行動
Aくんの習い事の迎えには下の子を連れて行かずに母親1人で行き、Aくんをおんぶして帰る。(3年間続ける)
3年後「もうおんぶしなくていいよ」と満たされたAくんから言われる。
サイン(不登校、リストカット、摂食障害など)を出しながら、思春期、大人で階段を下りてくる中高生、大人もたくさんいる。
例.摂食障害で入院している女性(20代後半)添い寝してもらわないと眠れず、毎晩看護師に添い寝してもらっている。
・やるべきときにやるべきことをやってない(やってもらってない)と…
乳幼児期にだっこされてない→中高生になっても膝にのって甘えてくる。
チョロチョロしてない→いつまでも落ち着かない。
・子育ては親だけでするものではない。親だけではムリ!
子どもに関わったすべての大人が、ほめて、叱って、伝えて、育てる。
大人は良いも悪いも含め、ありのまま生き方を伝える。伝える大人が多いほど子どもは幸せ。
子どもは何気ない言葉で救われる。また、何気ない言葉で潰される。
潰された時にフォローしてくれる大人がいることが大事!
・子どもは立派な親、先生を求めていない。
自分を愛して、ほめて、叱って、だめな所も認めてくれる親、先生を求めている。
10の力を持った1人が関わるよりも、1の力を持った10人で関わる方がいい!

子育て講座「いま、子どもに必要な自己肯定感とは」
高垣忠一郎先生(京都教育センター代表・心理臨床家)

・童謡「ぞうさん」…自己肯定感が詩人(まどみちお)の感性で描かれている。
・「自分が自分であって大丈夫」という自己肯定感とは…
丸ごと自分の存在そのものが承認されることで育つ。
部分的な性能のよさを評価することが自己肯定感ではない。
・自己肯定感=あるがまま(在るがまま)=生きて存在しているだけでいい
人には誰でもだめなところも弱いところもある。
でこぼこをだめだと思わない。肯定する。
・第2の出産(思春期)が難産になっている。
今の子どもたちは人間になる過程(試行錯誤しながら人間になる)をやり残して大きくなっている。
自己肯定感がない。
↓なぜ?
競争、競争、レールを敷かれた中で試行錯誤できない。
評価の時代、常に周りの目が気になり、失敗することさえもできない。
子どもが競争社会で生きていけるようにと、家でも子どもに厳しくする親が多いが…
それは大きな間違い!冷たい競争社会に送り出すのに家でも厳しくしたら子どもはこわれてしまう。
家で包み込んであったかくしてから送り出さないといけない。
愛をもらっている子は競争社会に支配されない。
・「自分を生きる」を支える自己肯定感
×「自分らしく生きる」
らしさの中に自分を閉じ込める→しんどい…
我慢強くてがんばり屋さんが心と体をこわしてカウンセリングに来ることが多い。
がんばる自分が自分らしいと思っている。
自分が意識する自分(がんばる自分)以外の自分を排除してしまう。
自己肯定感=自分が意識していない自分も含めた多様な自分を認めること。
うつ患者の傾向
元のようにバリバリ元気にがんばる自分になることが治ることと思っている。
なれないから苦しい。元に戻ることが治ることではない。
弱い自分も共存できるようになる=新しい自分になることが治ること。
・「自分が自分であって大丈夫」という自己肯定感は、ほめることで育つのではない。
ほめることには落とし穴もある。
ほめる→「またほめられるような自分にならなきゃ…」「期待に応えなきゃ…」と「よい子」を演じて苦しくなっている子どもが多い。子どもはほめてくれる人の価値観に閉じ込められる。
・「自分が自分であって大丈夫」という自己肯定感は、赦(ゆる)しと共感で育つ。
乳幼児期にどれだけ「よしよし」「だいじょうぶ、だいじょうぶ」としてもらったか。
痛い時、失敗した時、だめな時こそ、我が身で寄り添ってもらえることで自己肯定感が育つ。
× 痛みを訴える子どもに「痛いね、よしよし」と我が身で寄り添う前に、「薬飲んで」
「病院行くよ」と薬や病院任せにする。
→「厄介ごとを抱えた自分とは付き合いたくないんだな」と子どもは思ってしまう。
× 子どもの失敗を赦さない。
→「失敗する子はだめ」「失敗したら見捨てられる」と子どもが思ってしまい、失敗することを恐れ、失敗しないようにいい子にしている。失敗もできない。
今の子どもたちには、失敗したり、できそこなったり、だめなことをさらけ出した時に「赦す」ことの方が大事!
『赦しの「よしよし」が全然足らんわ!』by.高垣先生
・私たち大人も自分で自分に「よしよし」することが大事!
「よしよし」「辛いなあ」「がんばってるなあ」と自分にも声をかけてあげる。
でも…
「こんな自分だめ!」「こんな自分嫌い!」と自分に厳しくしてしまう人が多い。
→幸せになれるわけがない。
・自分がだめだと思うから、悩む苦しむと思っている。
自分が人間だからと思えると、悩む苦しむことは大事!と思える。
悩む苦しむことが大事!
→人に話して共感してもらう。
しかし今は…
人に話したら迷惑かなと思ってしまう人が多い。
役に立ってこそ存在価値があるという世の中になってしまっている。 自分に対してもそうなっている人が多い。
・自分を愛し、赦すことで、人に優しくなれる。
自己肯定感=愛 丸ごと認める。丸ごと愛する。
『おしめパンツみたいな人間になろう!(笑)』by.高垣先生     END

あずみがこの集会に参加した次の日、すごい勢いで「ゆうこさーん!聞いてくださーい!」と私に話し始めました。“お~!!あずみ~!”とちょっとびっくりな私、、、
あずみがこんな風に話をするのは珍しいです、、、
「せっかくだからその話をまとめて、みんなに読んでもらってよ~!」と伝えたところ、しっかりとまとめてくれました。
「自己肯定感が一番大事!」と思っている私、、、一番身近にいるあずみにガッツリとしっかりと伝わってくれている事が嬉しかったし、ほっとした事でもありました!!
ゆうこ

父兄の方がこの文章を読んでノートにこんな事が書かれていました。こちらも載せさせてもらいます。

みーちゃんママ、、、お便りを読んで毎日イライラしてばかりの自分を肯定的に思える様になりました。イライラして当然なんだ!むしろいい事なのね!と気持ちが楽になりました。イライラは止められないけど、その分沢山笑顔でいよう、いたいと思いました。私は夫にハイジに両親に職場にも支えられているなぁ~と改めて思いました。
「ぞうさん」の歌の意味を考えた事はありませんでしたが、シンプルな言葉の中に大切なメッセージがあったのですね。それを教えてもらえて良かったです。

あやちゃん かな君ママ、、、色々考えながらお便り読みました。そうだったんだ、、、痛い~!かゆい~!って言ってる時「えっそれくらい大丈夫だよ!」じゃなく「いたいね~大丈夫?」って寄り添ってあげないと、、、自分だって痛かったり疲れた時そうやって「大丈夫?よしよし、、、」ってされたかって、大人になった今でさえされたいのに、、、と改めて思いました。
何かできた時褒める事よりゆるす事の方が難しいですね、、、きっと、、、

みんな何かしら思う所があったようです。

話は現実に戻ります!
もう随分前ですがなみちゃんがすごく暴れる時期がありました。ママが仕事を始めたという事もあり環境がガラッと変わり、それに付いていけない感じです。その日も多分転んだ。抱っこしてー!という感じでギャン泣き、、、傷は大したことないけど何でもいい、、、私を抱っこして~!!というアピールできっかけ待ちのようです。のりこに抱っこして欲しかったらしいのですが私でもいいかな~?いいよね~!と思い抱っこしに行くと「のりーのりー!」とひどく強く大泣き、、、いやいやこっちだっていいじゃん!おいで~!と言えば言うほど逃げようとするなみちゃん、、、叩くは引っ掻くは、、、もう!痛い!そして根競べになってしまう。私が諦めるかなみちゃんが諦めるか、、、私としては前日買ってきたプリキュアの塗り絵をしよっか~などなみちゃんが「のりー!」と叫んでいるのに言っています。そして、、、スタッフは呆れていたかもしれないし、、、また大人げない事始まってしまったよ~って思っているのか意地の張り合いを見守ってくれています。
そして、、、手を放すと「のりー!」とばかり逃げて行きました。そして落ち着いて本を読んでもらっています。
後に残された私は、、、
私(だって)なみちゃんの(ために)色々考えてやっている(のに)
あ~どうしてこうなるかな~??などなど一気に負のスパイラルに入り悶々とよくない事の考えが始まります。もうどうしてくれるの~!って感じで気持ちは収まりません。この状況で外に出て一息ついてくればそれでいいのかっ!ってそんな簡単な事でもない、、、私はなみちゃんの事を心配していたし仲良くなろうと思っていたし、、、
なみちゃんが落ち着くと今度は私がのりこに愚痴を聞いてもらわないと大暴れしてしまう状態、、、だってさ~!私だってさ~!散々愚痴った後、子育て真っ只中で奮闘している人がどうにもならなくて切れてしまう気持ち、疎外感になる気持ち、淋しい気持ちが私にもはっきり分かりました。
話をして10分後には自分の気持ちが収まりました。

毎月書いているハイジたよりはあくまでも理想であって最後は自分なりに上手にまとめています。自己肯定感を付けたい!自分が一番大事!自己主張していいんだよ!と散々伝えているわりには「どうして片付けないのー!「水だしっぱなしー!止めてー」「テープ使い過ぎっ!」「折り紙もったいない」「そんなにムリっ!」「それはだめ!」などなど、、、日常は優しさからは程遠い所にいる時もあります。スタッフと共に過ごしているので助けたり助けてもらったり、、、一緒にへこんだり泣いたり笑ったりしながら過ごしています。一人なら頭がおかしくなってしまいます。
夕方もぽつんと一人になって、部屋も庭も台所も片付けなくてはいけない事がありました。あ~これを一人で片付けるのか、、、と思うと泣きそうになりました。でもやるしかない、、、
好きな歌をかけて一か所ずつゆっくり片付けよう!と思って始めますが、、、「あっ!何んでここに(オモチャの箱)お茶が入っているの?」「うわっ!トイレおしっこで汚れまくっている!」「あれっ?ちりとりない!」「うわっここにも泥がある」「図書館で借りた絵本が一冊だけない!どこどこ?」「あっ!さっきの蚊に刺されたー!」と全てに文句を言いながら、、、終わらせます。大人なので泣かないですが、、、(苦笑)

なみちゃんは、、、というと「ゆうこ~あのさっきのプリキュアする~!」とにこにこやってきました。もう怒っていません。あ~よかった!と思う私、、、これが大人も子供も一緒に生活を共に過ごしているってとこです。お互いの性格もわかったりわかってもらったり、、、諦めたり諦めてもらったり、、、許したり許してもらったり、、、、助けたり助けてもらったり、、、
大人より子供の方が余裕がある事も多く子供の方がよっぽど優しかったり強かったりします!!そして子供達がそうなったのはハイジがあったからだー!と開き直って自分を責めないようにもしています。

私(だって)○○の(ために)○○してあげた(のに)が出てきたら自分が犠牲者になってしまいます。子供と一緒にいるという事は大人の思い通りには何一つならないって事です。
自分が楽な方へ、、、楽な方へ、、、手抜き、、、手抜き、、、くらいでちょうどいい!!眉間のしわを作らないように、、笑って過ごせるようにしないと、、、です!!