2019年1月「対等」

2019年1月になりました。というよりなってしまいました。年が明けるとあっという間に3ヶ月が経ってあっという間に卒園児が卒園です。

今年の年長さんは女子4人です。4人共頼りになる立派なお姉さんに見えますが・・・

とんでもない!!ここまで大きくなるまでには相当の苦労をした子達ばかりです。いやっ!本人より大人がですね~(苦笑)

なみちゃん(2歳)が入園した理由として姉のみさちゃん(5歳)が幼稚園に行きたくない!毎朝大変でどうにもこうにもならなくなり、クリスマス会の時に見学に来てくれたのが最初です。

そしてみさちゃんの両親は小学校に上がるまでの最後の1年をハイジで過ごすと決めました。きっと勇気のいる決断だったろうと思います。

みさちゃんの妹であるなみちゃんも一緒にハイジに来ることになりました。当時のママの悩みは100%みさちゃんのことでした。沢山の話し合いをしました。

なみちゃんのことは「なみがいてよかった!みさがとんでもないことを始めてもなみは空気を読んで先回りをして助けてくれるんだよね~」とママが言っていました。

実際本当に気が回っているなみちゃんは「ここで何をしたらママが助かるか?」「ここで何をしたらママが喜ぶか?」「ここで何をしたらママが泣かないか?」など空気を読んでママのために過ごしていたのかもしれません。

ママとなみちゃんの関係が確立していると、それを知っているみさちゃんはなみちゃんのことが面白くない。ライバルといった関係が続いていました。

しばらくそんな感じでしたが、みさちゃんもなみちゃんも好きなように好きなだけ遊んで、暴れるだけ暴れて、甘えるだけ甘えて少しずつ、自分を取り戻していったようです。

2年後ママが仕事復帰した1年間は毎日戦いのような日々でした。全てのことが嫌となり大人への八つ当たりはほぼ毎日で、今までのように友達と対等に遊ぶということが出来なくなってしまいました。いつも小さい子と一緒に行動していた時期もあります。自分にとって安全な場所でしかいられなくなってしまいました。

ママの仕事の先行きが見え始めてからはなみちゃんも落ち着きを取り戻しました。

去年の秋くらいから少しずつ「あずみ~あずみ~抱っこ~」が減ってきた気がします。

今ママとの会話で「なみが助けてくれたんだよ~」「なみはありがたい!」って言葉を聞いたことがないです。ちゃーんと自分を出して嫌なものは嫌っ!これして!あれやって!

と自分の意思をママに伝え「ママのためにどうしてあげようか?」何て気持ちは殆どないようです。

がんばり過ぎている人!

いい人過ぎる人!

優し過ぎる人!

過ぎる人の本当の本当の姿は無理している人が多いと思います。なみちゃんはもう無理はしない!自分の気持ちを一番大切にすることが出来るようになったようです。

最近テレビや本などで『想像力』が大事と言われています。想像することが出来れば、あれもしたい!これもしたい!僕なら出来るかも?私なら出来るかも?

ハイジでの遊びは殆どが想像力です!例えば基地を作ることになると

大人にとっては読むための本も

大人にとってはご飯を食べる時に使うテーブルもイスも

大人にとってはおもちゃを片付けるカゴもすべて基地のために使う道具となります。

そこから想像力が生まれブルーシートが海になって泳いでいることもあります。

メルちゃんの人形をシャンプーしたい!となってバケツに水をいれて部屋に持ち込んで洗っていたり、おばけ屋敷を作るのに窓全部に新聞を貼って部屋中真っ暗にすることもあります。

そう・・・想像力は果てしなく続いていきます!

ハイジは大体のことはまあまあオッケー!全力で遊べるところ!と子ども達は決めているようです。

後で大人が「片付けしてよね~」と言うのは言うけど強制はしないです。私一人で片付けとなるとそこまでやらせるのはムリかもしれないけど一人じゃない!スタッフと一緒に片付けられるとなると平気だったりします。

家で一人ではなかなか難しいと思います。一人で片付けしながら虚しくなって涙が出てきちゃうかもしれません!片付けているそばから次々おもちゃを出されたら本当に~!

いい加減にしてよ!ってなるだろうし・・・

そう思うくらいなら自由にさせない方がいいし・・・

子どもは子どもで(色々想像しても大人がダメって言うよな~)(言っても無駄だよね~)(それなら違う方法でガマンして諦めて自分の気持ちを保つことしかないよな~)って思うようになるかもしれません。

でも、想像力で将来、自立できたり誰かの役に立つ人になったり自分のことが一番信頼できて一番大好きになってくれるならそっちの方が大事なのかもしれない。

でもでも・・・大人が自分の気持ちに嘘をついてまで子どもに付き合うのもよくないだろうし・・・

ここは難しいです。

この前中学生の卒園児と話をしました。「小学校低学年の時、何をしたか忘れたけどママに泣きながら凄く怒られたんだよ。感情的に怒られた!」と言っていました。「その時どう思ったの?」と聞くと「うれしかった!何したか忘れたけど気持ちが伝わった!今は冷静に伝えているようだけど何を思っているかわかりにくいからね」と言っていました。私はてっきり感情的に怒ったことの方が嫌な思い出なのかと思ったけど逆でした。

子どもが腹割って挑んでくる以上こっちだって腹くくって本気で付き合うことも必要なのかもしれないです。

なみちゃんが以前通っていた保育園では毎月1週間くらいは調子悪くて休んでいたそうです。

ハイジでもそうなるかな~?と思ったけど1日休むと次の日はちゃんと来ます。

「ハイジいかなくちゃ!やることいっぱいあるからっ!」っていう気持ちだけで治してしまったのかも?!

大人だって楽しいことやりたいことをやっている時は風邪っぽくても治ってしまったりします。

給食担当のまゆゆは「野菜を中心に薄味でね!」って言いますが最後の最後は「気持ちです!食べたいときに食べたい物食べる方が絶対いい!」って言っています!

子ども達に負けないように想像力をフル回転させて心が動くことを大人も見つけられることが、自分にとっても子どもにとっても平和に繋がることなのかもしれません。

最近ハイジ関係者以外から「どうしてそんなにけんかするんですか?」「ハイジって問題ある子多いですよね~」と言われました。う~ん そうかな~ でもそうかもしれない。何でだろう・・・???

と考えています。確かに今までパパやママから「子育てって楽しい~!これならいつまでも続けられる~!」って言葉はあまり聞いたことがない気がします。でもこれは子育てしている方全員が思っていることかもしれません。何にも問題がないような子でも、一度は親がへこんで落ち込んでどうしていいのか途方にくれる時期は必ずきています。(在園している時は何も問題がなかったけど卒園してから悩みを聞くことあります)

どうしてだろう?何でだろう?

そうだっ!きっと親と子が対等になろうとしている時や「僕は!私は!ここにいる!パパやママの物ではない!僕は僕で私は私!」と自己主張している時にズレが出てくるのかもしれない。

対等になろうと自己主張しているから言いたいことを言ってくるし、やりたいことをやろうとする。大人からしたら迷惑!時間のムダっ!と思うこともやりたい!と訴えてくる。

こんな時大人が支配して大人の権力と強さを出せば、大人のいう事は聞くかもしれない。そのうち大人のいう事を聞くことが当たり前になりそれが普通になっていく。というか主張することを何も知らないから大人に迷惑をかけないことが普通になって、大人のいう事を聞いていれば衣食住の確保は出来るし不安も不満もない・・・

でもハイジにくると支配はしない。子どもに言いたいことを言わせ、危なくないこと以外は自分がやりたいこと思ったことはやらせる。上からの支配がない分子どもは自由に過ごせる。過ごしている。

ある日の朝みあちゃん(3歳)が突然「ママのこと大~好き!でも大嫌いなときもあるよ!」と言ったそうです。

ママが「怒った時大嫌いなの?」と聞くと「そう!そう!」言ったそうです。

あやちゃん(6歳)に「ゆうこのこと嫌い?」と何気なく聞いたら「そりゃあるわ~!」ですって(笑)

そう!これが本音です。四六時中「あ~かわいい!大好き!」って思えることは不可能です。大人がムリ!と思ってしまうことは子どもだってムリ!なはずです。でも殆どの子が生きていくためにママきらい!何て言ったら生きていけない。

自分が弱者であることは知っているので言いません。

3歳のみあちゃんも自分の気持ちはハッキリママに伝える!そこがママと対等であってよかったな~!みあちゃんすごい!って思いました。

私達大人が年を重ねていくと出来ないことがどんどん増えていきます。

運転出来ないときがきたら子どもにどこかに連れて行ってもらうかもしれない。

働けなくなりお金がなくなったらご飯をおごってもらうかもしれない。

ご飯が作れなくなったら作ってもらうかもしれない。

一人で立てなくなったら手を貸してもらうかもしれない。

ミカンが食べたくなったら買ってきてもらうかもしれない。

一人でトイレに行けなくなったら連れて行ってもらうかもしれない。

今は私達大人が全てやってあげていることをいつかやってもらう日がくるかもしれません。というかこのまま何もなければ世話になることは間違いないです。

その時いやいや世話してもらうより、優しくしてもらって一緒にいることを喜んでしてもらったほうが絶対幸せです!

今、その時のために優しくするっていうのも変ですが・・・

今ちゃんと子どもと対等に生きていくことは特別なことではなく自然なことと思っています!