2025年12月「ゆびきりげんまん」

ハイジを始めたときにこんな方向性を掲げて始めました。

『~ほっとできるところ たのしいところ~

子ども一人一人の本当の姿が出せ、子ども同士の関わりの中でいっぱい喜んだり、いっぱい怒ったり、たまには哀しいこともあって、でもいろいろあるけど楽しい!大人は後ろから見守っている友だちのようでありたい。出来るだけ子どもに添った時間が流れていくように。そして子どもの側に身を寄せた保育園でありたいと思っています。』

ずっとこの方向性で正しいと思っていました。でも…しかし…どういうわけか…

これで本当にいいのか?という考えが膨らんできました。どうして膨らんできているのかなぁ~?と考えてみましたが…きっと歳を重ねてきたことで、白や黒といったようにハッキリと自分の気持ちを決めなくてもいい。むしろ決めないでグレーのままの方が過ごしやすい…という感覚がわかってきたからかもしれないなぁ~?それに時代の流れもどんどん変わってきているので私も変わるときなのかなぁ~?と…でもそうなると最初に掲げた方向性も(これでいいのか?)と考え始めたりして…

例えば

・ほっとできるところ たのしいところ(それだけでいいの?)

・子ども一人一人の本当の姿が出せ(本当の姿なんて出されたら大人は困り果てて疲れちゃうかなぁ~?)

・子ども側に身を寄せた(子ども側ではなく大人側にこそ身を寄せなくちゃいけないのかも?)

など…立ち止まって色んなことを考えるきっかけになってよかったようにも思えるけど…自分らしさは減っていってしまうような気もしていて…本当にこれでいいのか?と頭の中はぐるぐるぐるぐる堂々巡りです。

秋になると…いよいよ年長さんたちの就学前検診…(今日の就学前検診どうなっているかなぁ~?)(4月から大丈夫かなぁ~?)とやたらと心配している自分がいます。

きっと私だけではなく年長さんに関わった世の中の大人の人たち(親はもちろん祖父母、幼稚園 保育園の先生たち)が同じことを感じていることだとは思うのですが…

私も心配は心配…

そんな心配をしていた時、久しぶりに年長さんたちと公園へ!

○○くんと○○○ちゃんが「ビニールちょうだい!」と言うので一枚渡しました。すると公園中のゴミを拾っています。まるでゲームみたいに楽しそうに…

それを見て私は(あれっ?私はどの位置から子どもたちを心配しているんだろう…子どもたちは自らゴミを拾っているじゃん!私はたま~に気分がいい時しかゴミを拾わないけど…○○くんと○○○ちゃんは公園中のゴミを見つけてまで探して拾っているわ~!)

子どもたちを心配している自分に自分で(何様だよっ!)と突っ込みを入れてしまいました(笑)

そうそう!11月の避難訓練の時には大人がベビーカーを出したりしてバタバタしているとベランダに座っていた○○くん(2才)を○○くん(3才)が抱っこ(重くて出来ない)で何とか外に連れて行こうと頑張ってくれていたみたいで…その様子をみてスタッフのさとが泣きそうになっていました。

先週はアメリカに引っ越した○○くん(小3)○○くん(6才)一家が1年半ぶりに一時帰国しました。○○くんに「どう?久しぶりのハイジ」と聞くと「うれし過ぎ~!」と言って大興奮!二人とも仲間と呼べる友だちと再会してたっぷり遊んでスッキリした様子で帰っていきました。

ママも「ハイジにやっと帰ってこれた~!ハイジはやっぱりホームです!」と言い切って泣いていました。

ありがたい出来事が続きハイジは自分だけのハイジではない!みんなのハイジってことを再確認しました。

これからもきっと色んなことを考えて頭の中はぐるぐるしちゃうんだろうけど…

まっいいか~このままでいこう!と何かが腑に落ちた感覚で今は過ごしています。

一緒に住んでいる母(88才)が9月に転んで10月にコロナに感染したりと…ちょっとバタバタでした。今は施設に入居しました。コロナになった後、9日間会えなかったのですが…久しぶりに会った時に母が私のことを見て「あ~よかったよかった。これで死んでもいい…」なんて言いながら手をこすり合わせていて…まるで拝まれているような気分でした。入院してからずっと私に(忘れられたかも?)(もう会えないかも?)などネガティブなことばかり考えて過ごしていたのかなぁ~?と思うと私も悲しい気持ちになりました。でもそれと同時に(あ~やっと私の片思いが終わった~同じになった~)と実感することが出来た一日でもありました。きっと周りの人たちから見れば私は母から充分に大事に大切にされているように見えているんだろうなぁ~と思うけど。私はずっと(私の方が母のことを大事に大切に思っている)と感じていたので…やっと両思いになった気分でした。

子どもたちを見ていても同じです。子どもは親のことを無条件で認めて誰よりも大事に大切に思っています!

私は毎日にように在園児の親御さんと子育てなどの悩みの話を聞いていますが…私と話をしている間に親がへこんでしまう人もいるし…悲しんでしまう人もいるし…元気がなくなってしまう人もいるし…泣いてしまう人もいるし…

その様子は子どもから見ると(私が親を泣かせちゃう悪者?)になってしまっているようです。次からは「ゆうこと話しないでー!」って言ってくる子もいます。この前も私が○○ちゃん(3才)ママに「大丈夫だよ」と言いながら背中を擦ったら「やめてー」と○○ちゃんに手を振りほどかれました。

そんなことがある度に「どんだけ親を守っているんだよ~」「どんだけ親が好きなんだよ~」と胸が苦しくなります。

親になるとその瞬間から今までの生活はがらっと変わり、嬉しいことも沢山あるけど大変なことも沢山起こります。

そんな中でも子どもは親の味方であり絶対裏切らない唯一無二の存在でもあると思っています。

子どもは親のことが大事で大切で大好き過ぎる存在。だから子どもがそんな気持ちでいるってことを親は自覚して、自分のことを大事に大切に思って過ごして欲しいなぁ~と思っています。というか子どもと指切りげんまんして(自分のことを大事に大切にする)と約束して欲しいです。

きっと自分のことを一番大切にするってことは一番難しいとは思っていますが…

できるだけね…

2025/12/02