2025年6月「守る」

新年度がスタートして2か月…子どもたちは仲良く遊んでいることも多いですが揉め事もよくあります。とう君(5才)とはる君(5才)が給食のときに何やらあったらしく、とう君が動けずに固まっていました。どうやらはる君がとう君に言い放った言葉が強かったらしい。

「そんな言い方しなくても…はる君こわいよ…」とみんなに言われているはる。とう君はみんなに寄り添ってもらえたのですぐに復活しています。はる君は突っ立ったまま放心状態。そして「わ~!!」と大声で泣き始めました。

そんなことが度々続いているうちに、はる君は何かあると相手の様子をちゃんと見て「ごめんね。大丈夫?これ使っていい?」など伝えることができるようになっています。

昨年の秋から入園したそらちゃん(5才)!ハイジの子どもたちが自由に遊んでいる姿を見て最初は何をしていいのか?どうしていいのか?わからない様子でしたが段々と「自分は〇〇がしたい!」「〇〇はしたくない!」と自分の気持ちをはっきり伝えるようになってきています。

ある日ふうちゃん(6才)が私のところにやってきて「ひかちゃん(5才)がそらちゃんに強い口調で何か

を言っている。どうにかして…」とのこと。

私が近づいてみると、そらちゃんは特に困ってもいない様子…とりあえず私は「そらちゃん~何かあった?嫌なことあったらいつか自分で言えるようになるからね。ふうちゃんという存在がそらちゃんのことを後押ししてくれるからね。大丈夫だよ」と伝えました。2人は「うんうん!」とうなずいて抱き合っていました。

ひかちゃんはひかちゃんでどうやったらみんなとケンカにならずに仲良くできるか?模索中のようです。

毎日毎日こうやって子ども同士の関わりの中で人の気持ち。自分の気持ち。を確認して考えながら試行錯誤しながら過ごしているようです。

最近「ごめんね」って言葉をずっと考えています。(謝る)を調べたら(失敗する。間違う。)と書いてありました。

自分の気持ちを素直に「ごめんね」をあっさりと伝え合える関係ってどうやったらできるんだろう…

「ごめんね」を言ったら負けになる。「ごめんね」を言わせたら勝ちになる。「ごめんね」を認めたら傷つく。「ごめんね」を認めさせたら傷つける。などなど…

きっと…対等な関係ならあっさりと「ごめんね」も言えるし「ごめんね」も言ってもらえるんだろうなぁ~

でも対等な関係ってどういうこと?何でも本音を言い合えるって関係ってことかなぁ~?上司と部下、先生と生徒、先輩と後輩などは対等な関係で過ごすことは難しいだろうし…

でもでも…一番難しいのは親と子が対等な関係で過ごすことかもしれません。

だって…子どもは何もできない状態で生まれてくる。だから衣食住を揃えてくれる親という存在がなければ生きていけない。

生まれたばかりの子どもにとって何がいいのか?何がよくないのか?何もわからない。例えその時「何だか嫌な気持ちなんだよなぁ~」と違和感を抱えてもそれを誰に伝えていいのか?何て言えばいいのか?伝え方も言葉もわからない。

目の前にいる親が何気なく言った言葉は正しいって思ってしまうし。親が何気なくやって欲しいと望んだことはやってあげようって思うだろうし。親が何気なく願った希望は叶えてあげたいって思うだろうし。

もうこれは意識のない無意識の中で子どもは無理してがんばってしまうことも沢山あるんじゃないかなぁ~と…

当時は何もできない子どもだった自分が5才10才20才30才40才50才…になり身体も大きくなり、言葉も話せるようになり、お金も稼げるようになり、親がいなくてもちゃんと生きていけるようになったとしても…親がやって欲しいこと、親が願っていることは叶えたい。叶えてあげたい。と無意識の中で感じてしまう。

叶えてあげたいと思うことは親を受け入れているということだろうし…

例え親が間違っていたとしても自分が無理してがんばることができれば…

例え親が間違ったとしても当時から抱えていた違和感を自分で消すことができさえすれば…

親は間違っていないことにもなる。

自分の気持ちをすっ飛ばしてでも親の気持ちに寄り添うことができれば問題は起きない。起きていないってことになる。揉めることも「ごめんね」を言ったり言われたりすることもない。

きっとそれって…自分が親のことを全力で守っているってことでもあるんだろうなぁ~

自分が感じている違和感には蓋をして何もなく平和に楽しく過ごす。謝るとか謝ってもらうとかどうでもいいし…

(そりゃそうなんだけど…過去は変えられないし…他人に何かを言われたところで何も変わらないこともわかってもいるんだけど…)

でもでも…ただただ…

自分の気持ちは無理していたかも?がんばり過ぎていたかも?つらかったかも?嫌だったかも?と感じていたとしたら…

その時感じた違和感…その時思った悔しい気持ちや悲しかった気持ち泣きたかった気持ち…全部受け入れて「よくここまでがんばってきたー!」「えらい!えらい!」「めっちゃえらかったー!」って自分で自分のことを褒めまくってあげることで初めて自分のことを自分で守ってあげることができるのかもしれない。

最近ひかちゃんパパに(オープンダイアローグ=開かれた対話)というものがある。と教えてもらい本を読んでみました。

精神的にさまざまな問題を抱えている人がオープンダイアローグを行うことによって薬を頼らずに元気になっていく。という内容です。

オープンダイアローグ(開かれた会話)ってハイジでもみんながずっとやっていることなんだ~!と妙に納得!(悩みを抱えている親とスタッフが対話したり、親と親が対話したり、スタッフと卒園児、卒園児と卒園児が対話したり…あちこちで自然に対話がうまれています)

今月から『オープンハイジ 第2日曜日の10時~12時』を始めました。

ハイジ以外の人も子育ての悩み、人間関係の悩み、親子の悩みなど年齢を問わず相談にのらせてもらう機会作りました。少しずつだけどこうやってオープンにハイジを広めていけたらいいなぁ~と思っています。

もちろんハイジの人たちもいつでも遊びにきてくださいね!

開かれた会話をすることで何かが終わって何かが始まるかもしれない…

そんな気がします。2025/06/16